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経営ブログ

中小企業が経営に行き詰まったとき、最初に検討されるのは「事業の立て直し=再生」です。収支を見直し、資金繰りを改善し、金融機関と交渉を行い、なんとか経営を継続させる。あるいは、後継者がいない企業であれば「第三者への事業承継=M&A」も一つの選択肢として有効です。

しかし、現実には、再生もM&Aも実現が難しいケースが少なくありません。そのようなとき、最後に選択肢として浮かび上がるのが「廃業」という道です。

本記事では、「廃業」が決して“後ろ向きの選択”ではなく、状況によっては「最も合理的かつ前向きな戦略」であるということを、具体的にお伝えしていきます。 

再生が難しいケースとは?

事業再生には当然ながら一定の前提条件があります。たとえば、以下のような条件がそろっていれば、再建の余地はあります。

・商品やサービスに強みがある

・利益率を改善できる余地がある

・経営者や従業員に再起の意欲がある

・金融機関が協力的である

しかし、これらが揃わない場合、いくら計画を立てても「絵に描いた餅」になりかねません。特に、長年にわたって赤字体質が定着している場合や、外部環境(市場の縮小、人口減少、規制強化など)が大きく変化している場合、再生には極めて高いハードルがあります。

 

M&Aも現実的ではないケース

「誰かに会社を譲れれば、従業員の雇用も守れるし、経営者も引退できる」

そうした思いから、M&Aを希望される経営者も多くいらっしゃいます。

しかし、M&Aもまた「買い手が現れてこそ成立する話」です。

 例えば以下のような場合、買い手が見つかりにくくなります:

・明確な強みや差別化要素がない

・財務内容が悪化している

・継続的な収益が見込めない

・後継者もキーマン社員も不在

さらに、地方の小規模企業や、事業の属人的要素が強い業種(飲食、建設、サービス業など)では、買収後のスムーズな事業引き継ぎが難しいと判断され、買い手が敬遠する傾向にあります。

 

撤退こそ、合理的な経営判断

事業の継続には資金とエネルギーが必要です。にもかかわらず、「これまでやってきたから」「やめたら従業員に申し訳ない」といった理由だけで事業を引き延ばすのは、経営者自身の負担を増やすだけでなく、最終的に関係者全体に大きな損失をもたらすリスクもあります。

そのような状況において「廃業」という判断は、むしろ冷静で合理的な経営判断といえます。

私たちはこれを「戦略的撤退」と呼びます。

引き際を見極め、傷口が広がる前に事業をきちんと整理し、次の人生に向けた準備を始める――それは勇気ある選択であり、決して“逃げ”ではありません。

 

廃業支援の進め方とポイント

廃業といっても、「ただ店をたたむ」だけでは済みません。廃業には、さまざまな手続きと準備が必要です。

・取引先との契約整理

・従業員の退職・再就職支援

・在庫や資産の処分

・債務の整理や金融機関との対応

・税務・法務手続き

・自宅など個人資産の保全

これらを同時並行で進めていくには、高度なノウハウと専門的なサポートが欠かせません。

当社では、事業再生の現場で蓄積してきた知見を活かし、経営者の心情にも寄り添いながら、スムーズかつ負担の少ない撤退の実現を支援しています。

 

最後まで「良い経営者」であるために

どんな経営者も、自社を成長させ、長く続けたいという想いを持って事業を続けてこられたことでしょう。

しかし、状況によっては「やめること」もまた、責任ある経営者としての役割の一部なのです。

最後に、無理な延命ではなく、冷静な判断で「納得できる終わり方」を設計することで、経営者も関係者も次のステージに進むことができます。

廃業は終わりではなく、新たなスタートの第一歩かもしれません。

 当社では、「再生もM&Aも困難」と感じたときこそ、冷静に状況を整理し、最善の道を探すサポートを行っています。

もし顧問税理士や支援機関の方々の中で、「紹介すべきか迷う」経営者がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。

最後まで「経営者として最良の決断」を支えるために、私たちは共に伴走いたします。 

 

顧問先の「最後の出口戦略」、私たちと一緒に支援しませんか?

事業再生を専門とする当社では、「再生」「承継」「売却」の可能性を探ったうえで、やむを得ず「廃業」という選択に至る中小企業の支援にも力を入れております。

特に税理士の先生方が顧問先の最も信頼できる相談相手であることを、私たちも日々実感しています。

当社の廃業支援の強みは、以下のとおりです:

・借入金返済への現実的な対応力

 事業再生の現場で培ったノウハウを活かし、金融機関との調整やリスケ交渉にも精通しています。

・経営者の生活基盤を守る支援

 自宅や保有財産を極力守る視点から、「引き際」の設計を行います。

・「廃業ありき」ではない柔軟な対応

 状況に応じて、事業再生やM&Aによる売却の選択肢も併せてご提案可能です。

・弁護士をはじめ、多様な専門家との連携体制

 法的整理が必要な場合も、速やかに対応できる体制を整えております。

 

経営者が最終判断を下すまでには、多くの迷いと不安があります。

「無理に続けて消耗するより、今が引き際かもしれない…」

そんな顧問先がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちをご紹介ください。

税理士の先生方と連携し、経営者にとって後悔のない選択ができるよう、丁寧に寄り添った対応をお約束いたします。

中小企業の経営者が事業継続に行き詰まったとき、最初に相談する相手は誰か。

多くの場合、それは長年付き合いのある「顧問税理士」です。資金繰り、決算、融資、節税――日常的に経営の内情を共有し、最も信頼を寄せている存在こそが税理士の先生方であり、経営の「最後の判断」にも影響を与えるキーパーソンです。

 

今回のテーマは「廃業支援」

顧問先の経営者にとって、“終わり”を考えるのは容易なことではありません。しかし、事業が再生もM&Aも難しい段階に来ているならば、現実的かつ前向きな「撤退戦略」として、税理士の先生が声をかけてあげることが、経営者を救う大きな支えとなります。

 

廃業支援における税理士の重要な役割

「廃業支援」は、税理士の先生がもっとも力を発揮できる分野の一つです。

というのも、廃業には次のような専門的な対応が必要であり、それぞれに税務的な影響があるからです。

・資産・負債の整理と処分

・最終申告・清算決算

・残余財産の分配と税務対応

・未払い債務や引当金の処理

・個人保証や私財への影響整理

これらは、法律や会計の知識だけでは対応しきれません。税理士の先生が、経営者の人生設計や資産状況まで視野に入れてアドバイスできる存在だからこそ、「安心して話せる」場が生まれるのです。

 

「廃業支援チーム」による伴走が必要な理由

とはいえ、廃業には税務以外にも多岐にわたる課題が生じます。

・金融機関との交渉やリスケ対応

・従業員の退職・転職支援

・売掛金や在庫・設備の回収・売却

・家族の生活基盤(自宅や保有資産)の保全

・借入の連帯保証や法的リスクの整理

こうした局面では、税理士の先生お一人で対応できる範囲を超えてしまうことも多いのが現実です。そこで重要になるのが、他士業や専門家との連携による「廃業支援チーム」の構築です。

当社では、事業再生・廃業支援に精通したコンサルタントを中心に、金融機関との調整や資産保全スキームの立案、必要に応じて弁護士・社労士・不動産の専門家と連携しながら、経営者の「ソフトランディング」を支援しています。

お問い合わせはこちら

 

当社が税理士の先生と連携することで提供できる価値

当社では、これまで多くの中小企業の再生や撤退に関わってきた経験を活かし、次のような形で税理士の先生方と力を合わせることができます。

・経営者との初期面談に同席し、判断の材料を整理

・再生/M&A/廃業の選択肢を検討・提案

・債権者(金融機関等)との交渉支援

・経営者の自宅や資産を守るためのスキームの提案

・必要に応じた弁護士・他士業との橋渡し

「廃業ありき」ではなく、まずはすべての可能性を検討し、それでも難しい場合に「廃業という合理的な道筋」を示すことを大切にしています。

その際、税理士の先生の存在は欠かせません。数字の裏付け、経営者の信頼、そして廃業後の税務処理を通じて、最後まで経営者に寄り添う力をお持ちだからです。

 

「先生からのひと言」が経営者を救うこともある

廃業という選択は、経営者にとって感情的にも非常に重いものです。

「もう限界かもしれないけれど、誰にも言えない」――

そうした思いを抱えたまま、時間だけが過ぎてしまうことも多くあります。

そんなときに、信頼する税理士の先生から

「無理に続けるより、次の人生に進む道もありますよ」

という言葉があれば、経営者は救われるかもしれません。

 

顧問先に「悩んでいる経営者」がいれば、ご紹介ください

当社では、廃業を「失敗」や「終わり」としてではなく、経営者の新たなスタートを支える出口戦略としてとらえています。

「このまま続けるよりも、きちんと幕を下ろした方がいいのでは」

「再生やM&Aも難しく、八方ふさがりに見える」

――そんな顧問先がいらっしゃれば、ぜひ一度ご紹介ください。

税理士の先生と力を合わせて、経営者が最善の判断を下せるよう、全力でサポートいたします。

次の世代につなげる「承継」も、経営を終える「廃業」も、どちらも価値ある経営判断です。

今後も、税理士の先生方と共に、中小企業の経営者にとって「最後まで信頼できる支援者」でありたいと願っています。

お問い合わせはこちら

 

顧問先の「最後の出口戦略」、私たちと一緒に支援しませんか?

事業再生を専門とする当社では、「再生」「承継」「売却」の可能性を探ったうえで、やむを得ず「廃業」という選択に至る中小企業の支援にも力を入れております。

特に税理士の先生方が顧問先の最も信頼できる相談相手であることを、私たちも日々実感しています。

当社の廃業支援の強みは、以下のとおりです:

借入金返済への現実的な対応力

 事業再生の現場で培ったノウハウを活かし、金融機関との調整やリスケ交渉にも精通しています。

経営者の生活基盤を守る支援

 自宅や保有財産を極力守る視点から、「引き際」の設計を行います。

「廃業ありき」ではない柔軟な対応

 状況に応じて、事業再生やM&Aによる売却の選択肢も併せてご提案可能です。

弁護士をはじめ、多様な専門家との連携体制

 法的整理が必要な場合も、速やかに対応できる体制を整えております。

 

経営者が最終判断を下すまでには、多くの迷いと不安があります。

「無理に続けて消耗するより、今が引き際かもしれない…」

そんな顧問先がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちをご紹介ください。

税理士の先生方と連携し、経営者にとって後悔のない選択ができるよう、丁寧に寄り添った対応をお約束いたします。

 

企業の成長や発展には「経営理念」が欠かせないと言われますが、それは大企業に限った話ではありません。むしろ、従業員が数名の中小企業こそ、経営理念を明確にすることが重要です。本記事では、その理由と、経営理念を設定することで得られる具体的なメリットについて解説します。

後半には、「土建屋の親父社長」への「経営理念の必要性」の説明の仕方を示しています。

 

1 経営理念とは何か?

経営理念とは、企業が存在する目的や価値観、そして経営者の想いを言語化したものです。単なるスローガンではなく、企業の意思決定や行動の指針となる重要な役割を果たします。

例えば、

「地域社会に貢献する」

「お客様第一のサービスを提供する」

「社員の幸福を追求する」

といった理念があれば、経営者だけでなく、従業員も企業の目指す方向を理解しやすくなります。

 

2 小規模企業にも経営理念が必要な理由

1)経営者の考えを従業員と共有できる

中小企業では、経営者がほぼすべての意思決定を担うことが多いですが、従業員との価値観の共有がなければ、仕事の進め方にズレが生じることがあります。経営理念を明確にすることで、従業員が自発的に経営者の意向を理解し、共通の目標に向かって行動できるようになります。

2)従業員のモチベーション向上

企業の存在意義や目指すべき方向性が不明確なままだと、従業員は「何のために働いているのか」がわからず、モチベーションが下がることがあります。しかし、経営理念がしっかりしていれば、仕事の目的が明確になり、やりがいを感じやすくなります。

3)採用活動や人材定着に役立つ

中小企業にとって、人材の確保や定着は大きな課題です。経営理念を掲げることで、自社の考えに共感する人材が集まりやすくなり、離職率の低下にもつながります。「この会社の考え方が好きだ」「自分もこの理念のもとで働きたい」と思ってもらえることが、人材の定着に貢献します。

4)事業の方向性をぶらさず成長できる

事業を展開していく中で、さまざまな選択肢が生まれます。しかし、明確な経営理念がないと、目先の利益を追い求めて本来の目的とは違う方向に進んでしまうこともあります。理念があれば、判断基準がブレず、企業の成長を一貫したものにできます。

5)お客様との信頼関係が強化される

お客様は単に商品やサービスの価格だけで企業を選ぶのではなく、企業の価値観や姿勢にも関心を持っています。経営理念を明確にすることで、お客様に企業の想いが伝わり、信頼関係が築きやすくなります。

 

3 経営理念の作り方

1)企業の目的を明確にする

「なぜこの事業をしているのか?」を改めて考え、企業の存在意義を明確にします。

2)価値観を整理する

企業として大切にしたい価値観を考え、具体的な言葉にします。

3)簡潔でわかりやすく表現する

理念が長すぎたり難解すぎたりすると、従業員やお客様に伝わりにくくなります。短くシンプルな言葉にまとめましょう。

(4)従業員と共有し、実践する

経営理念は掲げるだけでは意味がありません。日々の業務の中で意識し、実践してこそ効果を発揮します。

 

4 まとめ

経営理念は大企業だけのものではなく、中小企業にとっても不可欠なものです。特に、経営者の考えを従業員と共有し、会社を一つの方向に導くためには、経営理念の明文化が欠かせません。自社の理念を明確にし、組織全体の結束力を高めていきましょう。

 

土建屋の親父社長に「経営理念」の必要性を説明

 土建業をはじめとする中小零細企業の社長(特に職人上がりの親父社長)に「経営理念が必要だ」と話しても、ピンとこない場合が多いです。

その理由は、経営理念という言葉が抽象的で、現場での実務や商売の実情と直結しにくいからです。

そこで、以下のような 「わかりやすい事例」 や 「社長にとってのメリット」 を交えながら説明すると、納得してもらいやすくなります。

 

1 「経営理念って、そんなに大層なもんじゃない!」と伝える

「社長、経営理念って言うとなんかカッコつけた話に聞こえるかもしれませんけど、要は 『うちの会社は何を大事にして、どんな仕事をするのか?』を決めること なんですよ。」

★ 社長の口癖を理念にする

「社長、普段から『ウチの仕事は、手抜きせずにちゃんとやる!』とか、『ウチの職人はお客さんとの約束は絶対守る!』って言ってますよね?それってもう立派な経営理念なんです。」

こう伝えることで、「理念=難しいもの」ではなく、社長が普段大事にしている考えそのものだと気づかせます。

 

2 「人手不足の今だからこそ必要」と伝える

建設業は特に 「人手不足」 が深刻です。人が定着しない理由のひとつに、 「社長の考えが伝わっていない」 という問題があります。

★ 「経営理念がないと、人がすぐ辞めていく」

「最近の若い職人は、単に『給料がいいから』だけで仕事を続けるわけじゃないんです。

『この会社はどんな仕事をして、どんな考えで仕事をしているのか』が見えないと、すぐに辞めてしまうんです。」

★ 「経営理念があると、会社に合う人が集まる」

「社長の考えがしっかり伝わっていれば、それに共感する職人が集まります。

例えば『ウチは手抜きをしない仕事をする』と明言していれば、それが嫌な人は最初から来ません。

逆に、そういう職人になりたい人は、長く働いてくれます。」

 

3 「仕事が増える」ことを強調する

土建業では、元請けや顧客からの 「信頼」 が何より重要です。

その信頼を得るためにも、経営理念が役立つことを伝えましょう。

★ 「ちゃんとした会社だと思われると、仕事が増える」

「最近、元請けの会社やお客さんも、ちゃんとした会社かどうかを気にするようになっています。

『この会社はどんな考えで仕事をしているのか』が明確だと、元請けやお客さんも安心するんです。」

★ 「口コミや紹介が増える」

「『あそこの会社は仕事が丁寧だ』とか、『社長がちゃんとしてる』って評判が立つと、仕事がどんどん来るんですよ。

それをハッキリさせるためにも、経営理念を言葉にしておくといいんです。」

 

4 「社長が楽になる」ことを伝える

経営理念があると、社長の考えが従業員に伝わりやすくなり、 社長がいちいち指示しなくても動く人が増える というメリットがあります。

★ 「社長がいなくても、仕事が回るようになる」

「毎回、職人に『こうしろ、ああしろ』って言うの大変じゃないですか?

『ウチはこういう考えで仕事をする』って決めておけば、社員も勝手にその基準で動くようになるんですよ。」

★「無駄なトラブルが減る」

「仕事のやり方がバラバラだと、職人同士の揉め事が増えます。

でも、経営理念がハッキリしていると、みんな同じ方向を向くので、無駄なトラブルが減ります。」

 

5 「有名な会社もみんなやってる」と伝える

大企業の例を出すと、「うちはそんなに大きくないから関係ない」と言われることがあります。

その場合は、 「成功している地元の会社」 や、 「業界で評価の高い企業」 の事例を出すと説得力が増します。

★ 「成功している会社は、みんな経営理念を持ってる」

「例えば、◯◯工務店さん(地元の有名な会社)も、『お客様に長く愛される仕事をする』っていう理念を大事にしてますよね?

そういうのがあると、仕事が途切れにくくなるんです。」

★ 「社長の代わりに会社の顔になる」

「社長が元気なうちはいいんです。でも、いつか引退するとき、経営理念がないと会社の方針がバラバラになっちゃいます。

早いうちに『ウチはこういう会社だ』って決めておけば、将来も安心ですよ。」

 

まとめ

土建屋の親父社長に「経営理念が必要」と説明する際は、 抽象的な話を避けて、具体的なメリットを伝える のがポイントです。

効果的な伝え方のポイント

「社長が普段言ってることが、すでに経営理念ですよ」 と伝える

「経営理念があると、人が辞めにくくなるし、いい職人が集まる」 と説明する

「仕事が増えるし、元請けやお客さんの信頼も得られる」 と説得する

「社長が楽になるし、無駄な指示やトラブルが減る」 とアピールする

「成功してる会社はみんなやってるし、将来のためにも必要」 と納得させる

特に、「仕事が増える、人が定着する、社長が楽になる」の3点を強調すると、親父社長も「なるほど」と納得しやすくなります。

 

銀行との2つの付き合い方

また、経営が不振になった時に重荷になるのも「金融機関への借入金の返済」です。

ここでは、

・借入ができる条件

・返済を一時的に止める等の「リスケジュール(リスケ)」の条件

について整理して紹介します。

銀行から借入ができる条件

銀行は、業績が悪い企業(回収に懸念がある)には新規の貸出は行いません。借入ができるのは経営的に「正常」な企業です。「正常」とは、次の3つの状態を総合的に判断されます。

(1)返済原資が確保できること

(2)自己資本がプラス、債務超過でないこと

(3)金融機関との取引実績に傷がないこと

(1)返済原資が確保できること

借入金を返済できる年数(債務償還年数)が「7年~10年」以内であること。

借入金は、事業活動で生み出すキャッシュ(簡易キャッシュフロー:純利益+減価償却費)が返済原資になります。

すなわち、利益が出ないと返済ができないので、金融機関からの借入は難しくなります。

これを式で表すと次のようになります。

■ 債務償還年数=正味の借入額÷簡易キャッシュフロー

        = 7年(~10年)

  □ 正味の借入額=借入金ー現預金ー運転資金

    *運転資金=売上債権+棚卸資産ー仕入債務

  □ 簡易キャッシュフロー=純利益+減価償却費

(2)自己資本がプラス、債務超過でないこと

貸借対照表(バランスシート)を確認して、資産、負債を実態に合わせて評価されます。

・プロパー融資(銀行単独の融資):ある程度厳しく評価して判断します。評価の基準は金融機関によってかなり違います。

・保証協会付融資・日本政策金融公庫融資は比較的柔軟に対応してもらえる可能性があります。

(3)金融機関との取引実績に傷がないこと

これは、次に示す状況をいいます。

・借入の返済が滞っていない

・資金使途違反がない など

 

リスケの条件

リスケは金融機関からの借入の返済の条件変更(一定期間の支払いの停止や減額)を受けることです。

リスケは「傷」ではなく、契約のまき直しです。

このリスケを認めてもらうには、リスケの実施により最大5年以内に「正常な企業」になることが必要です。

*正常な企業とは、先の「借入ができる企業」と同じです。すなわち、

(1)返済原資が確保できること

(2)自己資本がプラス、債務超過でないこと

通常は、これを実現するために「経営改善計画」を策定します。

この「経営改善計画」は、借入先の金融機関内部の「リスケ」の承認を得るために必要です。

この「経営改善計画」には、次の数値を達成することを示すことが必要です。

・条件1:3年以内に黒字化

・条件2:5年以内に債務超過を解消(自己資本がプラス)

・条件3:5年後(債務超過解消後)、債務償還年数10年以内

BCP(事業継続計画)

BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

*BCP:Business Continuity Planning

ここでは、BCPの中小企業版(簡易版とも言える)としての「事業継続力強化計画」について紹介します。

事業継続力強化計画

BCPは、1970年代にアメリカ・イギリスで事業を継続する1つの手段・手法として関心が高まってきたことで始まりました。実際にBCPが広まったのは、21世紀幕開け直後。2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロをきっかけとして、全世界の企業たちが事業継続の重要性を考えるようになりました。

日本でも政府の働きかけもあり、大企業を中心にBCPの策定が進められましたが、中小企業への広がりはごくわずかでした。

一方、頻発する地震や洪水などで被害を受ける工場などの各種の施設が被害を受け、被害を受けた企業だけでなく、その製品等を使用する企業も部品や資材が入らなくなり生産が止まり、事業活動に影響がでています。

そのため大企業だけでなく中小企業でも「BCP」を策定する必要がありますが、大企業で策定されているBCPは広範囲にわたり、複雑であることもあり、中小企業には人的資源、時間の面で策定が難しいのが現実です。

政府は中小企業でも策定が容易で効果が期待できる「事業継続力強化計画」の認定制度をスタートさせました。

2019年(令和元年)7月に「中小企業強靭化法」が施行され、その中に組み込まれました。

 

事業継続計画の記載項目

事業継続力継続計画には次に示す内容を記載し、「GビズID」を使って「経済産業大臣(地方経済産業局)」に申請して認定を受けます。

(1)事業継続力強化に取り組む目的の明確化

・従業員、顧客などの人命を守る

・(事業を継続させ)就業員の雇用を守る

・供給責任を果たし、顧客からの信用を守る など

(2)災害リスクの確認・認識

・ハザードマップ等を活用して、自社拠点(事務所・工場等)の自然災害や感染症等に対するリスクを認識する

・認識したリスクに対して事業への影響を評価する(被害の想定)

*この時は「ヒト(人員)」「モノ(建物・設備・インフラ)」、「カネ(資金繰り)」「情報(事業運営に関するデータ)」の4つの切り口から検討を行なう

(3)初動対応の検討

・災害が発生した直後にまず何をすべきか、初動対応を検討する

*人命の安全確保

*緊急時に対応できる体制の構築

*被害状況の把握・共有  など

(4)ヒト・モノ・カネ・情報への対応

・(2)で認識した「ヒト・モノ・カネ・情報」への影響を踏まえ、事業を継続できる対策を検討する

*欠員が出ても柔軟に対応できるように従業員の多能化の推進

*事務所、工場等の耐震化

*金融機関などからの借入の検討(運転資金の確保)

(5)(災害発生を前提とした)平時の取組み

・計画の推進体制の明確化(経営層のコミットメント)

・訓練実施、計画の見直し等、取組の実効性を確保する取組

 

認定を受けた企業に対する支援策

認定を受けた企業は次に示す支援策を受けられます

・低利融資、信用保証枠の拡大等の金融支援

・防災・減災設備に対する税制措置

・補助金(ものづくり補助金等)の優先採択(加点)

・連携をいただける企業や地方自治体等からの支援措置

 

事業継続力強化計画とBCPの違い

(1)事業継続力強化計画は国から認定される

事業継続力強化計画は、中小企業強靭化法によって定められたもので、作成方法や計画書の記入項目(前述)が決められていて、自発的に申請し要件を満たすことによって、国から認定を受けることができます。

*BCP(事業継続計画)には現時点では認定制度はありません

(2)能力の強化が重視

計画策定という側面よりも企業の災害に関する「能力強化」が重視されています。すぐに行動に起こせる内容で高い実効性を持っています。

(3)シンプルな内容

中小企業では単一事業を行なうことが多く、大企業に比べ決めるべきことが少ないので、計画がシンプルになります。

ただし、見かけはシンプルですが、その内容は充分な検討が必要です。方向性を間違うと策定する意味がなくなります。

(4)高い実効性

事業継続力強化計画は、緊急事態発生時における「初動」としての内容や手順を考えることを重視しており、定期的な訓練や計画の見直しにも重点が置かれており、実効性を高めるものとなっています。

 

リスクは災害だけではない

先の投稿で示した中小企業の状況を示した図を再掲します。

これを見てわかるように「災害リスク」だけでなく、企業経営には様々なリスクが存在します。

まずは、大局的に「自社の状況」を把握して、今回示した「事業継続力強化計画」の手順で「リスク」を抽出し、抽出したリスクの重み付けを行なうことです。

中小企業は、経営資源に限りがあり、限られた資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を有効に使うことを考えることが必要です。

変化が激しい「VUCA(ブーカ)」の時代の中でも、「現状を把握」することが重要です

*「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」

*1990年代後半にアメリカで軍事用語として発生、2010年代になってビジネスの業界でも使われています

 

事業再生において、借入金を返済していくためには利益を出すことが必要です。

例えば、頑張って利益を「1,000万円」出しても税金で「約300万円」を払うことになり、返済には「700万円」しか充てることができません。

この時に、税金の支払いを少なくするために、これまでの赤字分(繰越欠損金)を活用することができます。

今回は、事業再生時の繰越欠損金の活用を紹介します。

繰越欠損金とは

繰越欠損金とは、企業が過去に生じた損失額のことで、これを将来の所得から控除することで税負担を軽減できる制度です。日本の税法では、一定の期間(通常は10年間)、繰越欠損金を利用して将来の利益から控除することが認められています。これにより、過去の損失を埋め合わせ、企業の財務状況を安定させることが可能となります。

 

事業再生時における繰越欠損金の活用方法

経営が悪化し事業再生を行う際、繰越欠損金は以下のような方法で有効に活用できます。

1 債務免除益の活用

債務免除益とは、再建過程で債権者が一部の債務を免除することで企業に発生する利益のことです。この債務免除益は通常、課税対象となりますが、繰越欠損金を利用することで課税額を減少させることが可能です。具体的には、過去の損失と債務免除益を相殺することで、実質的な課税所得を減らすことができます。これにより、再建過程における税負担を軽減し、企業の財務再建を助ける効果があります。

2 再生中の利益と法人税の相殺

事業再生の過程で企業が利益を上げることができれば、その利益に対して法人税が課されます。しかし、繰越欠損金を利用することで、この利益と過去の損失を相殺し、実際に支払う法人税額を減少させることができます。これにより、企業は再生過程で得た利益を再投資や債務返済に充てることができ、よりスムーズな再建を図ることができます。

3 グループ内での損益通算

企業グループ内で繰越欠損金を持つ会社がある場合、その繰越欠損金を他のグループ企業の利益と通算することで、グループ全体の税負担を軽減することができます。これにより、グループ全体の資金繰りを改善し、経営再建を支援することが可能です。

4 資本政策との連携

増資や第三者割当増資を行う際に、繰越欠損金を有効活用することで、投資家に対して将来の税負担の軽減をアピールすることができます。これにより、投資家からの資金調達が円滑に進む可能性が高まります。

 

以上のように、繰越欠損金は事業再生の際に様々な方法で活用することができます。これにより、企業は財務状況を改善し、再建を成功させるための強力なツールとして活用することができます。りの経営者様お電話いますぐOK!

銀行等からの借入に関して、「保全」と「与信」は非常に重要な概念です。それぞれの意味と相互の関係について説明します。

 

保全(ほぜん)

保全とは、貸出先が万一返済不能になった場合に備えて、銀行が取るリスク管理の措置のことを指します。具体的には、以下のような手段が含まれます。

1担保(たんぽ):

貸出先が返済できなくなった場合に備えて、借入者の不動産や有価証券などを担保として設定します。

2 保証人(ほしょうにん):

返済が滞った場合に代わりに返済を行う第三者(保証人)を立てます。

3 保険:

返済不能時に保険金が支払われる保険契約を結ぶこともあります。

 

与信(よしん)

与信とは、銀行が借入者に対して信用を供与する行為、すなわち融資を行うことを指します。与信には、借入者の信用力や返済能力を評価し、その結果に基づいて融資の可否や条件を決定するプロセスが含まれます。

 

保全と与信の相互関係

保全と与信は密接に関連しています。具体的な関係性は以下の通りです:

1 リスク管理の一環:

与信判断を行う際には、借入者の信用力評価だけでなく、返済不能時のリスクに備えるために保全策も同時に考慮されます。適切な保全が取られている場合、与信判断がより積極的になることがあります。

2 信用供与の条件:

銀行が融資を行う際、保全の内容によって貸出条件が変わることがあります。例えば、十分な担保が設定されている場合は、金利が低く設定されることがある一方で、担保が不十分な場合は金利が高く設定されることがあります。

3 貸出上限の決定:

保全がしっかりしている場合、銀行はより大きな金額の融資を行うことが可能になります。逆に、保全が不十分であると、与信額が制限されることがあります。

 

まとめ

・保全は貸出リスクを低減するための措置であり、担保や保証人の設定などが含まれます。

・与信は信用供与の行為であり、借入者の信用力と返済能力に基づいて融資を決定します。

・保全と与信は相互に関連しており、適切な保全があると与信判断がより積極的になる一方で、保全が不十分であると与信が制限されることがあります。

これらの概念を理解することで、借入を検討する際にどのような準備が必要か、また銀行がどのようにリスクを管理しているかが分かるようになります。

会社が金融機関からより多くの融資を得るためには、以下のような内容を示すことが重要です。これらの情報を提供することで、金融機関に対して会社の信用力や返済能力をアピールすることができます。

1 財務状況の詳細

財務諸表:

・最新の貸借対照表、損益計算書、資金繰り表(キャッシュフロー計算書)を提供します。

過去の業績:

・過去数年間の業績を示し、売上や利益の成長トレンドを説明します。

・安定した収益を示すことで、返済能力の高さをアピールします。

2 事業計画と成長戦略

事業計画書:

・今後数年間の事業計画を詳細に記載した書類を提供します。

・市場分析、競合分析、販売戦略、マーケティング戦略、新製品開発計画などを含めます。

成長戦略:

・成長の見込みや新規プロジェクトの詳細を説明し、それがどのように収益に貢献するかを明示します。

・新規市場への参入計画や拡大戦略を含めます。

3 担保および保証

担保資産:

・提供可能な担保(不動産、有価証券、在庫、設備など)の詳細を示します。

・担保の評価額や所有権証明書を提供します。

保証人:

・企業の返済能力を補完するために保証人を立てる場合、その保証人の財務状況や信用情報を提供します。

4 経営陣と従業員の情報

経営陣のプロフィール:

・主要経営陣の経歴、経験、専門知識を説明します。

・経営陣の信頼性と専門知識が、会社の成功に寄与することを示します。

従業員のスキルと組織力:

・主要な従業員のスキルや経験を強調し、組織の強みを示します。

5 業界および市場の情報

業界分析:

・会社が属する業界の現状や将来の見通しについての分析を提供します。

・業界の成長性や市場のポテンシャルを示し、会社のビジネスが持続可能であることを証明します。

市場シェア:

・現在の市場シェアや顧客ベースについて説明し、競争優位性を強調します。

6 リスク管理とコンプライアンス

リスク管理体制:

・リスク管理の方針や体制、具体的なリスク対策について説明します。

・法令遵守(コンプライアンス)体制を明確にし、企業としての信頼性を高めます。

 

まとめ

金融機関に対して会社の財務状況、事業計画、担保および保証、経営陣の情報、業界および市場の情報、リスク管理体制を詳細に示すことが、より多くの融資を得るために重要です。これにより、金融機関は会社の信用力や成長ポテンシャルを評価しやすくなり、融資の決定に積極的になる可能性が高まります。

事業パートナー東海では、これまでの「経営改善・事業再生」の支援実績から、的確な現状分析(内部要因・外部環境)に基づき、金融機関に評価してもらえる、各企業に適した「事業計画・成長戦略」の立案を支援します。

事業計画の策定には、補助金(早期経営改善計画支援事業)を活用することもできます。

再生型私的整理手続の要約

1 再生型私的整理手続の概要

再生型私的整理手続(以下、「本手続」という。)は、経営困難に陥っている中小企業者(以下、「債務者」という。)が、法的整理手続を経ずに債権者との合意に基づいて事業再生を図る手続である。債務者は、第三者支援専門家の支援を受けながら、金融機関等の債権者と協議し、事業再生計画を策定する。

2 手続の開始

債務者が本手続を利用する場合、まず主要債権者に対して本手続を開始する旨を申し出る。債務者は、第三者支援専門家の候補者を選定し、主要債権者全員の同意を得た上で第三者支援専門家を選任する。選任された第三者支援専門家は、中立的立場から事業再生計画の策定支援を行う。

3 事業再生計画の策定

債務者は、第三者支援専門家と協力して事業再生計画を策定し、主要債権者に対して計画案を提示する。計画案には、債務返済猶予や債務減免、経営改善策などが含まれる。主要債権者は計画案を精査し、同意するか否かを表明する。同意が得られた場合、事業再生計画は成立する。

4 モニタリングと計画の変更

事業再生計画が成立した後も、第三者支援専門家や主要債権者は定期的に計画の進捗をモニタリングする。計画と実績に乖離が生じた場合、乖離の原因を分析し、必要に応じて計画の修正や法的整理手続への移行を検討する。

5 廃業型私的整理手続との関係

再生型私的整理手続を進める中で、事業の継続が困難と判断された場合、廃業型私的整理手続への移行を検討する。第三者支援専門家は、中小企業者の意向を尊重しつつ、適切な対応策を提供する。

6 保証債務の整理

再生型私的整理手続においては、保証債務の整理も重要な課題となる。保証人は、経営者保証に関するガイドラインを活用し、主債務と保証債務の一体整理を図るよう努める。

7 計画成立後のフォローアップ

計画成立後も、定期的なフォローアップを実施し、計画の達成状況を確認する。必要に応じて、中小企業者や主要債権者は計画の見直しを行い、持続的な事業再生を目指す。

 

以上が「再生型私的整理手続」の概要であり、債務者と債権者が協力して事業再生を図るための枠組みとなっています。

 

廃業型私的整理手続の要約

廃業型私的整理手続の開始

手続開始の申し出

・中小企業者は、外部専門家と共に主要債権者に対して廃業型私的整理手続の開始を申し出ることができる。

・外部専門家は、主要債権者の意向を踏まえ、中小企業者の資産負債及び損益の状況を調査し、弁済計画策定の支援を行う。

一時停止の要請

・必要に応じて、主要債権者全員の同意を得た場合、一時停止の要請ができる。対象債権者が要請に応じた場合、中小企業者及び外部専門家は一定期間内に弁済計画案を策定し提示する。

・一時停止要請が書面によるものであり、全ての対象債権者に対して同時に行われていることが要件である。

弁済計画の策定

弁済計画案の立案

・中小企業者は、外部専門家からの支援を受けて、相当期間内に廃業に向けた資産換価等の必要な対策を立案し、弁済計画案を作成する。

・主要債権者や他の対象債権者と協議し、経営・財務及び事業の状況を分析しながら弁済計画案を進める。

弁済計画案の内容

・弁済計画案は企業の概況、財務状況、保証人の資産と負債の状況、実態貸借対照表、資産換価及び処分の方針等を含む。

・自助努力が十分に反映されたものであることが求められる。

債権者会議の開催と同意

債権者会議の開催

・中小企業者及び第三者支援専門家が協力し、対象債権者全員による債権者会議を開催する。

・会議では弁済計画案を説明し、質疑応答及び意見交換を行う。

弁済計画案の同意

・全ての対象債権者が弁済計画案に同意した時点で弁済計画は成立する。これにより中小企業者は弁済計画を実行する義務を負う。

・弁済計画案について全ての対象債権者から同意を得られない場合、第三者支援専門家は手続きを終了させる。

弁済計画成立後のモニタリング

モニタリングの実施

・外部専門家と主要債権者は、弁済計画成立後、中小企業者による計画達成状況等を定期的にモニタリングする。

・債務減免等を含まない弁済計画の場合には、主要債権者がモニタリングを行う。

要件と考慮事項

適用要件

・過大な債務を負い、既存債務を弁済できないか近い将来に弁済できない見込みがあること。

・円滑かつ計画的な廃業により、従業員の転職機会を確保し、経営者の再スタートが可能であること。

・中小企業者が経営情報等を適時適切に開示していること。

・反社会的勢力と関係がないこと。

保証債務の整理

・保証人は経営者保証に関するガイドラインを活用し、主債務と一体整理を図るよう努める。

これらの手続により、中小企業者と債権者が協力して円滑な廃業を実現し、関係者にとって最良の解決策を模索することが可能になります。

 

なお、事業再生や廃業の方法は「事業再生ガイドラインの沿った手続き」以外に多くの手法があります。

当社では、各企業の状況に応じて、最適な方法を検討・提示し、その推進を行います。

業績向上には価格設定が大事

稲盛和夫先生は「値決めは経営:値決めはトップの仕事。お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点である。」と述べています。*著書「経営12ヶ条」より

現在、経営改善を支援している企業の中で、「販売価格の見直しとお客様との交渉」で、利益の改善ができているところがあります。販売価格を上げることは、企業の業績向上に大きな効果があります。

当社が企業の経営状況を調べる際に最も重視しているのが「収益性」です。業種によって分類する項目は変わりますが、例えば、食品製造・販売では、「商品別」「顧客別」の売上と利益(粗利益)を分析します(ABC分析)。

この分析結果により、重点的に取り組む商品や顧客を選定したり、採算が悪い商品や顧客の改善(または撤退)を検討します。この時は、競合他社の動向や顧客との取引状況・信頼等を考慮して、適切な価格設定を行います。

価格交渉促進月間

政府は、原材料・資材費及び人件費の高騰により経営状況が悪化している中小企業(下請事業者)の経営が成り立つように、発注企業(親事業者)に対して、価格交渉に応じて適正価格で取引するように通達しています。

価格交渉を促進するために、3月と9月に「価格交渉促進月間」を設定しています。

価格交渉促進月間については中小企業庁のホームページをご覧下さい

政府が進めている価格交渉促進を図で示したものです。

価格交渉が進んでいるかをアンケート調査や下請けGメンによるヒアリング調査で状況を把握し、対応が悪い親事業者には指導を行う場合もあります。

2024年3月時点の状況

3月の価格交渉促進月間での調査内容が6月に公表されています。

価格交渉の実施について

価格交渉が行われたかを調べた結果です。総数「67,390社」の「59.4%」の企業が交渉が行われたと回答しています。

価格交渉の成果

価格交渉の結果が示されています。「67.2%」の企業が価格転嫁ができたと回答しています。

この結果は、前年の9月の調査よりも上昇しています。

自社の製品の値段を上げる方法

物価高騰の影響を受けて製品の価格を上げる必要がある場合、中小企業は慎重に戦略を立てる必要があります。価格を上げることで売上が減少するリスクも考慮に入れつつ、以下のステップで進めることをお勧めします。

1 コスト構造の再評価

まずは、製品の製造にかかわる直接的なコストと間接的なコストを詳細に分析します。原材料、人件費、運送費などの増加分がどの程度影響しているかを確認し、どのコストが最も影響を受けているかを特定します。

2 市場調査

競合他社の価格設定や市場の価格感度を調べます。顧客が価格上昇をどの程度受け入れられるか、競合が同様の価格調整を行っているかを把握することが重要です。

3 価格設定戦略の策定

価格を段階的に上げる、あるいは一部の製品だけ価格を上げるなど、様々な戦略が考えられます。顧客の反発を避けつつ、必要な収益を確保するバランスを見つけることが鍵です。

4 価値提案の強化

価格を上げる際には、製品の価値を明確に伝え、顧客が価格上昇を受け入れやすくする必要があります。品質の高さ、サービスの向上、製品のユニークな特徴など、顧客が価格以上の価値を感じるポイントを強調します。

5 コミュニケーション戦略

顧客に対して価格変更の理由とその利益を明確に伝えることが大切です。透明性を持ってコミュニケーションを行い、顧客の理解と支持を得るよう努めます。

6 モニタリングとフィードバックの収集

価格変更後の顧客の反応や売上の変動を注意深く監視します。必要に応じて追加の調整を行うことも重要です。

これらのステップにより、物価高騰の環境下でも適切な価格戦略を展開し、企業の利益を維持しつつ顧客満足を保つことが可能になります。

 

物価高騰に関する政府の主な支援策

中小企業が物価高騰やその他の経済的圧力に対処し、製品価格を適切に設定するために、政府は様々な施策を実施しています。こうした施策は、中小企業の財務負担を軽減し、市場競争力を維持するためのものです。主な政府の支援策は以下の通りです。

1 資金支援プログラム

政府は、低利の融資や補助金を提供して、中小企業が運転資本や新技術への投資を行えるよう支援します。これにより、コスト上昇による財務的な圧力を緩和できます。

2 税制優遇措置

物価高騰に対応するために投資が必要な企業に対して、税控除や税額の減免を提供します。これにより、企業の手元資金を増やし、経済的な柔軟性を高めます。

3 市場アクセスと販売促進支援

国内外の市場へのアクセスを促進するために、貿易フェアや展示会への参加支援、輸出入手続きの簡素化、オンラインプラットフォームへのアクセス支援などが行われます。これにより、新たな市場での売上げ増加を目指します。

4 コスト削減と効率化支援

エネルギー効率の改善生産プロセスの最適化デジタル技術の導入支援などを通じて、企業の運営コストを削減します。これにより、価格上昇の圧力を内部から軽減することが可能になります。

5 教育とトレーニングプログラム

経営者や従業員向けに、価格戦略、コスト管理、市場分析などに関する教育やトレーニングを提供します。これにより、企業が自らのビジネスをより効果的に管理し、市場の変化に柔軟に対応できるようになります。

これらの施策は、中小企業が価格上昇とその他の経済的挑戦に対してより良く対処できるようにするためのものであり、企業の持続可能な成長と市場での競争力を支えることを目的としています。

価格交渉ハンドブック

日本政府が中小企業のために提供している「価格交渉ハンドブック」は、中小企業が納入先との間で公正かつ効果的な価格交渉を行うためのガイドラインです。このハンドブックの主旨は、中小企業が大企業や主要な取引先との力関係の不均衡を乗り越え、適正な価格で商品やサービスを提供できるよう支援することにあります。

以前に「価格交渉ハンドブック」については紹介していますが、改めて主な内容はを示します。

1 価格交渉の基礎知識

価格交渉のプロセス、基本的な戦略とテクニック、価格設定の基準など、基礎から応用までの知識を提供します。

2 交渉力の強化

交渉における心理的アプローチやコミュニケーションスキル、効果的な交渉のための準備方法など、交渉力を強化するための具体的な方法を紹介します。

3 事例に学ぶ

実際の価格交渉の事例を基に、成功したケーススタディや失敗から学ぶべきポイントを解説します。これにより、理論だけでなく実践的な知見も得ることができます。

4 法的枠組みと倫理

価格交渉における法的制約や倫理的考慮事項について解説し、適法かつ倫理的な交渉が行えるようガイダンスします。

5 サポートリソース

政府や関連機関が提供する支援リソース、相談窓口、追加の教育プログラムなど、中小企業が利用できる各種リソースを紹介します。

このハンドブックは、中小企業がより良い条件で取引を行うための自信と知識をつけることを目的としており、特に原材料費や運送費などのコストが上昇している現在のような経済状況において、非常に役立つツールとなっています。

はじめに

2024年度の倒産状況に関して、帝国データバンクが公表したレポートによれば、倒産の主因として「販売不振」が82%を占めています。この傾向は今年度に限ったものではなく、過去から継続している「構造的な問題」ともいえるでしょう。

帝国データバンクの公表資料から、コロナ禍発生からの倒産の推移(12ヶ月の移動平均)を示します。

コロナ禍の最初は、政府の支援策(ゼロゼロ融資等)により、倒産は減少していました。その支援策が終了したら、業績が回復しない企業は、ゼロゼロ融資の返済もあり倒産が増加しました。

倒産要因を次に示します。「販売不振が82%」を占めています。

しかし、「販売不振」とは一言で片づけられるような単純な現象ではありません。今回は、その要因を体系的に整理し、企業が取り組むべき具体的な対策についてご紹介します。

 販売不振の主な原因と分類

「販売不振」の背後には、戦略面・実行面の両側に多様な課題が潜んでいます。ここでは、主な要因を2つの観点から整理してみます。


(1)ビジネスモデル(事業ドメイン)が市場に合っていない

・商品・サービスが時代のニーズとズレている

・顧客のライフスタイルの変化に対応できていない

・以前は成功していたモデルが、今の競争環境では通用しない

対 策

・外部環境の変化(市場トレンド・顧客ニーズ)の分析

・事業ドメインの再設定(「誰に・何を・どうやって」提供するかの見直し)

・商品やサービスのリニューアル、または新分野への展開


(2)競合に負けている(ビジネスモデルは合っているが、実行面で劣る)

要因の例:

・販売チャネルが限定的/時代遅れ

・顧客への訴求力が弱い(提案力やブランディング不足)

・コスト競争で劣勢

・デジタル施策(Web・SNSなど)の未活用

対 策

・販売方法の改革: オンライン販売、SNS活用、サブスクリプション導入など

・営業・広報力の強化: 顧客に伝わる提案づくり、接点の多様化(対面・WEB・LINEなど)

・コスト改善: 外注の見直し、生産性向上、人員配置の最適化

・競合との差別化: 「自社ならでは」の価値(品質、対応力、地域密着など)を明確化

 

参考:社長の専門学校の講座から

上記の内容を端的に示しているので紹介します。

<儲からない会社の5つの特徴!>

特徴1:下りのエスカレーターに乗り続けている

特徴2:単価の低い商品・サービスを売っている

特徴3:利益率の低い商品・サービスを売っている

特徴4:顧客に支配されている、顧客が遠い

特徴5:どこにでもあることをやっている

 これからの企業に求められる視点

販売不振を「商品が売れない」とだけ捉えるのではなく、その背後にある戦略上のミスマッチや、実行力の差を冷静に分析することが必要です。

環境の変化に柔軟に対応し、自社の「稼ぐ力」を見直すタイミングに来ているともいえるでしょう。

 当社の支援について

当社ではこれまで、数多くの事業再生支援に携わってきました。その中で得た経験を活かし、

・「販売不振」の根本原因の可視化

・実効性の高い対策の立案と、現場での実行支援

をワンストップでご提供しています。

「自社も危ういかもしれない」「今のうちに手を打ちたい」と感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。貴社の状況に応じた具体的な改善アクションをご提案いたします。

 おわりに

「販売不振」は、企業活動における最大のリスク要因の一つです。しかし、その原因を正しく捉え、計画的に対応すれば、業績回復は十分可能です。

今こそ、自社のビジネスモデルと販売力を見直し、持続可能な経営への一歩を踏み出しましょう。

 

(参考)話題になっている倒産の原因

帝国データバンクの公表資料に掲載されている直近に話題になっている倒産原因について示します。

4つの原因について2024年度の状況を示します。

この中で、前年に対して増加している「人手不足倒産」「物価高倒産」の状況について紹介します。

人手不足倒産の状況

物価高倒産の状況

 

事業譲渡のメリット

事業譲渡とは、企業がその事業の一部または全部を他の企業に譲渡することを指します。これは株式譲渡と異なり、事業そのものを構成する資産や負債、契約などを包括的に譲渡する行為です。

事業譲渡は、経営戦略の一環として行われることが多く、譲渡側と譲受側の双方にメリットがあります。

 

事業を譲る側のメリット

1 資金調達

・不採算部門や不要な事業を売却することで、資金を調達できる。

・資金を新たな成長分野や核心事業に投資することが可能。

2 経営効率の向上

・事業の整理・再編を通じて、経営資源をより効率的に活用できる。

・不採算部門の売却により、全体の収益性が向上する。

3 負債の圧縮

・事業譲渡を通じて、関連する負債を譲渡することが可能。

・財務健全性の向上を図ることができる。

4 事業再生・リストラの一環

・経営難に陥っている事業を譲渡することで、企業全体の再生を図ることができる。

 

事業を受ける側のメリット

1 市場シェアの拡大

・事業譲渡により、短期間で新市場への参入や市場シェアの拡大が可能。

・既存の顧客基盤やブランドを活用できる。

2 スケールメリットの獲得

・同業種の事業を取り込むことで、スケールメリットを享受できる。

・生産コストや運営コストの削減が期待できる。

3 技術・ノウハウの獲得

・譲渡される事業から新たな技術やノウハウを取得できる。

・自社の技術力や競争力の強化につながる。

4 人的資源の確保

・優秀な人材を含む事業を譲り受けることで、人的資源を強化できる。

・採用リスクを抑えた形で即戦力を得ることが可能。

 

事業譲渡のプロセス

事業譲渡は以下のプロセスを経て実施されます。

1 事前準備

・事業譲渡の目的や範囲を明確にする。

・財務状況や資産評価を行う。

2 相手先の選定

・事業を譲り受ける適切な企業を選定する。

・譲渡条件の交渉を行う。

3 デューデリジェンス(精査)

・譲受側が事業の詳細を調査し、リスク評価を行う。

4 契約の締結

・事業譲渡契約を締結する。

・必要な法的手続きを完了する。

5 事業の引き継ぎ

・資産や負債の移転手続きを行う。

・社員や顧客への説明と調整を実施する。

事業譲渡は、両者にとって大きなメリットをもたらす一方で、計画的かつ慎重な準備と実行が求められます。適切な専門家の助言を得ながら進めることが重要です。

 

事業譲渡の中での当社(経営コンサルタント)の役割

事業譲渡のプロセスにおいて、当社は、経営コンサルタントとして、重要な役割を果たすことができます。

以下は、当社が関与する主要な部分とその具体的な支援内容です。

1 事前準備段階

役割:

・事業譲渡の目的や範囲の明確化

・財務分析および事業評価の実施

具体的な支援内容:

・企業の経営戦略に基づき、事業譲渡の目的や目標を設定するサポート。

・売却対象事業の財務状況を詳細に分析し、適正な事業価値を評価する。

・事業譲渡によるリスクやメリットを明確化し、経営陣に助言を行う。

2 相手先の選定段階

役割:

・適切な譲渡先候補の探索

・譲渡条件の交渉支援

具体的な支援内容:

・市場調査を通じて、譲渡先候補企業をリストアップし、潜在的な買収企業との接触を図る。

・譲渡条件(価格、支払条件、譲渡範囲など)の設定と、譲渡先候補との交渉をサポート。

・適切な譲渡先の選定に向けたデューデリジェンスの実施支援。

3 デューデリジェンス(精査)段階

役割:

・事業の精査とリスク評価

・デューデリジェンスの実施管理

具体的な支援内容:

・財務、法務、税務、労務などの専門家と連携し、対象事業の全般的なデューデリジェンスを実施。

・リスク要因の特定と、そのリスクに対する対応策の提案。

・デューデリジェンスの進行管理と、結果を基にした譲渡条件の見直し助言。

4 契約の締結段階

役割:

・事業譲渡契約の作成と締結支援

・法的手続きの支援

具体的な支援内容:

・事業譲渡契約書の作成支援と、契約内容の確認。

・譲渡に関する法的手続きを円滑に進めるためのアドバイス。

・必要な許認可の取得や規制対応のサポート。

5 事業の引き継ぎ段階

役割:

・事業移転の計画と実行支援

・スムーズな事業継承の確保

具体的な支援内容:

・資産や負債の移転手続きの管理と実行支援。

・社員や顧客への説明と調整のサポート。

・移行期間中の業務プロセスの最適化と、円滑な事業運営のための助言。

・経営体制や組織変更に関するアドバイス。

 

当社は、事業譲渡の各段階で専門的な知識と経験を提供し、企業が最適な条件で事業譲渡を成功させるための支援を行います。当社の役割は、戦略的なアドバイスから実務的なサポートまで多岐にわたり、企業の重要な意思決定を支えるパートナーとなります。

私的整理の主要なスキーム

事業再生の私的整理における2つの主要なスキームについて説明します。

1)中小企業活性化協議会のスキーム

内容: 中小企業活性化協議会は、中小企業の経営改善や再生を支援するために設立された組織であり、各地域(都道府県)に存在しています。このスキームでは、中小企業が抱える財務問題を解決するために、金融機関や専門家と協力して再生計画を策定し、実行します。

特徴:

・協議会の存在: 各地域に設置された中小企業活性化協議会が主導し、中小企業の再生を支援。

・専門家の支援: 税理士、公認会計士、弁護士などの専門家が再生計画の策定と実行を支援。

・金融機関との協力: 主に地域の金融機関との協力により、資金調達や債務再編を行う。

・早期の相談: 経営状況が悪化する前に早期に相談することが奨励されている。

2)事業再生ガイドラインに基づくスキーム

内容: 事業再生ガイドラインは、事業の再生を目指す企業が、金融機関や債権者と協力して再生計画を策定し、実行するための指針を提供するものです。ガイドラインは、企業が再生に向けて具体的な行動を取る際の手引きとなります。

特徴:

・透明性: 事業再生のプロセスが透明であり、ステークホルダー間の信頼関係を築くことが重視される。

・迅速性: 迅速な再生計画の策定と実行が求められる。

・協力体制: 企業、金融機関、その他のステークホルダーが協力して再生計画を進める。

・事前合意: 債権者や利害関係者との事前合意が重視され、計画の実現可能性が高まる。

両スキームの違い

1 主導者の違い:

・中小企業活性化協議会: 各地域の協議会が主導し、中小企業の再生を支援する。

・事業再生ガイドライン: 企業自身が主導し、ガイドラインに基づいて再生計画を策定する。

2 対象企業の違い:

・中小企業活性化協議会: 主に中小企業を対象とする。

・事業再生ガイドライン: 規模に関わらず、再生を目指す企業全般を対象とする。

3 支援体制の違い:

・中小企業活性化協議会: 地域の金融機関や専門家のネットワークを活用して支援する。

・事業再生ガイドライン: 企業が自主的にガイドラインを活用し、金融機関や債権者との協力を図る。

4 プロセスの違い:

・中小企業活性化協議会: 相談から再生計画の策定、実行までのプロセスが協議会によってサポートされる。

・事業再生ガイドライン: ガイドラインに従い、企業が再生計画を自主的に策定し、実行する。

これらのスキームは、それぞれの企業の状況やニーズに応じて適用され、最適な再生方法を選択することが重要です。

 

事業再生支援の専門家の役割

中小企業活性化協議会スキームと事業再生ガイドラインのスキームにおける専門家の位置付け、選任方法、役割について説明します。

中小企業活性化協議会スキームの専門家

位置付け: 中小企業活性化協議会スキームにおいて、専門家は企業の経営改善や再生計画の策定・実行をサポートする重要な役割を担います。協議会の一部として活動し、企業に対して専門的なアドバイスを提供します。

選任方法: 専門家は、協議会のネットワークから選ばれます。通常、税理士、公認会計士、弁護士、中小企業診断士などの資格を持つ専門家が、協議会のメンバーや協力者として登録されています。企業の具体的な状況に応じて、適切な専門家が選任されます。

役割:

・経営診断: 企業の経営状況を診断し、問題点を洗い出す。

・再生計画の策定: 企業の状況に応じた現実的な再生計画を策定する。

・債務再編: 債務の再編成や資金調達の支援を行う。

・実行支援: 再生計画の実行をサポートし、進捗を監視する。

・アドバイス: 継続的な経営改善に向けたアドバイスを提供する。

事業再生ガイドラインの第三者専門家

位置付け: 事業再生ガイドラインのスキームでは、第三者専門家は企業と金融機関・債権者の間で中立的な立場を保ちつつ、再生計画の策定と実行を支援する重要な役割を果たします。第三者専門家は、ステークホルダー間の調整役として機能します。

選任方法: 第三者専門家は、企業と主要な債権者が協議して選任します。通常、再生に関する豊富な経験と高い専門性を持つ公認会計士や弁護士が選ばれることが多いです。選任に際しては、企業の特性や再生の複雑さに応じて適切な専門家が選ばれます。

役割:

・調整役: 企業と債権者の間で公正かつ中立な立場を保ちながら、調整役として機能する。

・再生計画の策定: 企業と協力し、現実的かつ実行可能な再生計画を策定する。

・債権者との交渉: 債権者との交渉をサポートし、合意形成を図る。

・進捗管理: 再生計画の実行状況を監視し、必要に応じて改善策を提案する。

・透明性の確保: すべてのステークホルダーに対して透明性を確保し、信頼関係を築く。

違いと共通点

違い:

・位置付け: 中小企業活性化協議会の専門家は協議会の一部として活動するのに対し、事業再生ガイドラインの第三者専門家は中立的な立場で調整役を担う。

・選任方法: 中小企業活性化協議会の専門家は協議会のネットワークから選ばれるが、事業再生ガイドラインの第三者専門家は企業と債権者の協議で選任される。

・役割: 中小企業活性化協議会の専門家は主に再生計画の策定・実行支援を行うが、事業再生ガイドラインの第三者専門家は調整役や透明性の確保にも重きを置く。

共通点:

・両者ともに企業の再生を支援するための専門的なアドバイスを提供し、計画の実行をサポートする。

・再生計画の策定において、企業の財務状況や経営状況の診断を行う。

 

事業再生の手法には様々な手法があります。ここで示した「私的整理」の他に裁判所が関与する「民事再生」もあります。

当社では、事業再生(経営再建)に関してご相談頂ければ、現状を把握して最適な進め方をご提案します。

なお、事業再生に取り組むには早い段階の着手がより良い結果を導き出します。経営に少しでも不安を感じたらお問い合せ下さい。

金融機関から融資を受ける際に付けられる「経営者保証」は、M&Aの際にしばしば課題となります。この点について、通常の処理方法と売手が注意すべき点を以下にまとめます。

経営者保証の扱いに関する通常の処理

保証の解除:

M&Aの際、売手は金融機関に対して経営者保証の解除を求めるのが一般的です。新しいオーナーに対して保証を付け替えるか、もしくは保証なしで融資を継続するよう交渉します。

新オーナーへの引き継ぎ:

新オーナーが経営者保証を引き継ぐ場合もあります。この際、金融機関との協議が必要となり、新しい経営者の信用力が重要となります。

融資の返済:

M&Aの一環として、既存の融資を全額返済し、経営者保証を解除する方法もあります。その後、新オーナーが新たな融資を受ける形となります。

売手が気をつけなければならない点

1 金融機関との事前協議:

M&Aを計画する段階で、金融機関と経営者保証の扱いについて早めに協議することが重要です。金融機関の意向を確認し、スムーズな移行を図ります。

2 保証解除の条件確認:

保証解除の条件を確認し、必要な手続きを把握します。場合によっては、新オーナーの信用力を示すための資料や、追加の担保が必要となることがあります。

3 デューデリジェンスの実施:

M&Aのデューデリジェンスにおいて、経営者保証の状況を明確にし、潜在的なリスクを把握します。買手に対して正確な情報を提供することで、後のトラブルを防ぎます。

4 契約条項の明記:

経営者保証に関する取り扱いについて、M&A契約書に明記します。具体的な処理方法、責任の所在、解除手続きの進行状況などを詳細に記載します。

5 適切な専門家の活用:

弁護士やM&Aアドバイザーなどの専門家を活用し、金融機関との交渉や契約書の作成を円滑に進めることが重要です。専門家の助言を得ることで、最適な解決策を見つけることができます。

 

最近の問題と解決策

最近では、経営者保証の解除がスムーズに進まないケースが報告されています。金融機関が新オーナーの信用力に不安を感じる場合や、融資条件の見直しが必要となる場合があります。これを解決するためには、以下の対応が考えられます。

信用力の向上:

新オーナーの信用力を向上させるために、経営計画の詳細を金融機関に提示し、信頼を得る努力を行います。

追加の担保提供:

新オーナーが追加の担保を提供することで、金融機関の不安を解消する方法もあります。

専門家の仲介:

M&Aアドバイザーや金融機関の担当者との綿密な連携を図り、スムーズな交渉を行うことが求められます。

これらの点を注意することで、M&Aにおける経営者保証の課題を適切に処理し、スムーズな事業譲渡を実現することが可能です。

 

株式会社事業パートナー東海では、「M&Aセルサイドアドバイザー」として売手企業の支援を行っています。M&Aの仲介会社に依頼すると、「買手」が優位な立場になりがちです。当社は「売手の立場」になって、妥当な譲渡金額を算出し、買手の探索、交渉を行います。

後継者不在の対応や事業の集中のためにM&Aでの株式・事業譲渡をご検討の方はお問い合せ下さい。

創業間もなくて財務状況が安定しない会社の場合、銀行からの融資として「保証協会の保証」付き融資の可能性があります。この「保証協会」の設立の経緯、目的、実施内容を整理して紹介します。

保証協会の設立の経緯、目的、実施内容

設立の経緯

信用保証協会は、中小企業や小規模事業者が事業資金を円滑に調達できるように支援するために設立されました。特に、信用力が乏しい創業間もない企業や財務状況が安定しない企業にとって、銀行からの融資を受けることが難しい場合があります。これを解消するため、各都道府県に信用保証協会が設立されました。

目的

信用保証協会の主な目的は、中小企業や小規模事業者が金融機関からの融資を円滑に受けられるように信用保証を提供することです。これにより、地域経済の活性化や雇用の創出、企業の成長を支援します。

実施内容

1 信用保証の提供中小企業や小規模事業者が金融機関から融資を受ける際に、信用保証協会が保証人となることで、金融機関はリスクを軽減し、融資を実行しやすくなります。

2 経営支援信用保証を受けた企業に対して、経営相談や支援サービスを提供し、企業の成長をサポートします。

3 保証料の徴収保証を提供する代わりに、企業から保証料を徴収します。この保証料は、保証協会の運営費やリスクヘッジに充てられます。

保証協会の保証の範囲

保証協会は通常、融資の一定割合(例えば80%~100%)を保証します。具体的な保証割合や保証限度額は、各協会や融資の種類によって異なります。

一般的な保証割合

・全額保証一部の特定の条件を満たす融資については、全額保証(100%保証)を行うことがあります。

・部分保証多くの場合、80%~90%の保証が一般的です。つまり、融資額の80%~90%を保証し、残りの10%~20%は金融機関がリスクを負う形となります。

保証限度額

保証限度額は協会や融資の目的により異なりますが、一般的には数百万円から数億円規模の保証が行われます。具体的な限度額は信用保証協会の規定に基づき決定されます。

まとめ

信用保証協会は、中小企業や小規模事業者が金融機関からの融資を受けやすくするために設立されました。保証協会は、融資の一定割合を保証することで、金融機関のリスクを軽減し、企業が必要な資金を調達するサポートを行っています。保証の具体的な内容や割合、限度額は協会や融資の種類によって異なるため、詳細については各信用保証協会に確認することをお勧めします。

 

保証付き融資のメリットとデメリット

メリット

1 融資の獲得が容易になる

・信用保証協会が保証人として支援するため、金融機関はリスクを軽減し、通常よりも融資を実行しやすくなります。特に創業間もない企業や信用力が乏しい企業にとっては大きなメリットです。

2 低金利での融資が可能

・信用保証協会の保証があることで、金融機関はリスクを抑えられるため、通常よりも低金利で融資を提供することが可能になります。

3 経営支援を受けられる

・信用保証協会は、保証を提供するだけでなく、経営に関するアドバイスや支援を提供します。これにより、企業は経営改善や成長を図ることができます。

4 資金調達の多様化

・保証付き融資を利用することで、企業は自己資金や他の資金調達手段と組み合わせて資金を確保し、事業拡大や運転資金の確保を図ることができます。

デメリット

1 保証料の負担

・信用保証協会に保証を依頼するためには保証料が必要です。この保証料は融資額に対して一定割合で計算され、企業にとっては追加のコストとなります。

2 審査が厳しい

・信用保証協会は、保証を提供する前に企業の財務状況や事業計画を詳細に審査します。この審査が厳しいため、全ての企業が保証を受けられるわけではありません。

3 手続きが複雑

・保証付き融資を受けるためには、信用保証協会と金融機関の両方で手続きを行う必要があります。このため、通常の融資に比べて手続きが複雑で時間がかかる場合があります。

4 信用リスクの管理が必要

・保証付き融資を受ける企業は、信用保証協会との契約に基づき、定期的な報告や財務管理を求められることがあります。これにより、企業は信用リスクの管理を徹底する必要があります。

まとめ

保証付き融資は、中小企業や創業間もない企業にとって、資金調達の重要な手段となります。金融機関からの融資を受けやすくし、低金利での資金調達を可能にする一方で、保証料の負担や手続きの複雑さといったデメリットも存在します。企業はこれらのメリットとデメリットを理解し、自社の状況に応じた資金調達手段を選択することが重要です。

 

代位弁済の制度の説明

代位弁済とは

代位弁済とは、借入金を返済できなくなった場合に、信用保証協会が借入企業に代わって金融機関に対して返済を行う制度です。この仕組みは、企業が金融機関から借り入れを行う際に、信用保証協会が保証人となることで成り立っています。企業が返済不能に陥った場合、金融機関は信用保証協会から代位弁済を受けることができます。

代位弁済の流れ

1 企業が返済不能に陥る:

・企業が融資の返済を行えなくなると、金融機関は企業に対して返済の督促を行います。

2 代位弁済の請求:

・企業の返済が困難な場合、金融機関は信用保証協会に対して代位弁済の請求を行います。

3 信用保証協会が代位弁済を実行:

・信用保証協会は、金融機関に対して企業に代わって融資の残額を支払います。この際、金融機関は借入金の回収を信用保証協会に委ねます。

4 信用保証協会が債権者となる:

・代位弁済が実行された後、信用保証協会が企業に対する債権者となり、企業は信用保証協会に対して返済義務を負います。

代位弁済後の会社の返済方法

1 信用保証協会との返済計画の策定:

・企業は信用保証協会と相談し、返済計画を策定します。返済計画には、返済期間や返済額、返済方法などが含まれます。通常、分割払いでの返済が認められることが多いです。

2 利息や遅延損害金の支払い:

・代位弁済が行われた場合、信用保証協会に対して元金の返済だけでなく、一定の利息や遅延損害金が発生することがあります。これらの条件についても、返済計画に含められます。

3 財務状況の報告:

・信用保証協会は、企業の財務状況や事業計画を定期的に確認します。企業は定期的に財務報告を行い、返済能力を示す必要があります。

4 再交渉の可能性:

・企業が再び返済困難な状況に陥った場合、信用保証協会と再度交渉し、返済条件の変更や猶予を求めることができます。ただし、信用保証協会がこれを受け入れるかどうかは、企業の状況や過去の返済履歴に依存します。

まとめ

代位弁済制度は、企業が金融機関からの借入金を返済できなくなった際に、信用保証協会が企業に代わって返済を行う仕組みです。代位弁済が行われた後、企業は信用保証協会に対して返済義務を負い、返済計画の策定や定期的な報告が求められます。企業にとっては、代位弁済が最後の救済手段となるため、これに頼ることなく、健全な財務管理を行うことが重要です。

「事業再生」の検討をを行っている中で「破産」を考えなければならない局面もでてきます。当社の事業再生の取組みの中では、「破産」を避ける方向で進めていますが、「破産」の手続きを理解しておくことは意味があります。

ここでは、破産の手続きと関与する人物の役割を紹介します。

破産手続・実行の流れ

破産手続は、債務者がその債務を履行することができない場合に、裁判所の監督のもとで債務者の財産を整理し、債権者に対する公正な分配を図るための手続です。以下に一般的な破産手続の流れを示します。

1 破産申立

・債務者自身または債権者が裁判所に対して破産の申立を行います。

2 保全処分

・裁判所は破産手続開始決定前に、債務者の財産を保全するための保全処分を命じることがあります。

3 破産手続開始決定

・裁判所が破産手続開始決定を行います。この段階で破産管財人が選任されます。

4 債権者集会

・破産管財人が債務者の財産を調査し、債権者に対する配当の計画を立てます。

5 財産の売却と配当

・破産管財人が債務者の財産を売却し、得られた資金を債権者に分配します。

6 破産手続の終結

・財産の分配が終了し、裁判所が破産手続の終結を宣言します。

各登場人物の役割

申立代理人

登場する状況

・破産の申立時に登場します。債務者または債権者が破産を申立てる際に、法律の専門家として代理を務めます。

役割

・破産申立書の作成および提出。

・債務者の財産や債務の状況について裁判所に説明。

・破産手続の進行中において、債務者や債権者を代表して裁判所とのコミュニケーションを行う。

保全管理人

登場する状況

・保全処分の段階で登場します。破産手続開始決定前に、裁判所が債務者の財産を保全するために選任することがあります。

役割

・債務者の財産の保全と管理。

・財産の隠匿や散逸を防ぐための措置。

・財産の現状を調査し、裁判所に報告。

破産管財人

登場する状況

・破産手続開始決定後に登場します。裁判所によって選任され、破産手続全体を監督・管理します。

役割

・債務者の財産の管理および処分。

・債務者の財産調査と債権者への報告。

・債権者集会の開催と配当計画の作成。

・財産の売却と得られた資金の債権者への配当。

債務者

登場する状況

・破産手続全体に関わります。破産申立を行う主体であり、手続中も財産や債務の状況について情報提供を行います。

役割

・破産申立時に必要な情報の提供。

・破産管財人や裁判所に対する協力。

・債権者集会への参加。

債権者

登場する状況

・破産手続全体に関わります。債務者からの債権を持ち、配当を受ける権利を有します。

役割

・債権の届出とその証明。

・債権者集会への参加と意見表明。

・破産手続における配当を受ける。

裁判所

登場する状況

・破産手続全体を監督し、各段階で重要な決定を行います。

役割

・破産手続開始決定の下達。

・保全処分の命令。

・破産管財人の選任。

・債権者集会の招集と手続の進行管理。

 

これらの登場人物が連携しながら、破産手続は進行していきます。それぞれの役割を理解し、適切に対応することが重要です。

「破産」についてその手続き、関係者の役割を記載しましたが、当社では「破産しない事業再生」を目指しています。

事業再生には様々な進め方がありますので、対象会社の状況を把握して、最適な進め方を検討します。

また、事業再生に取り組むには早い段階での着手が重要です。経営の中で不安がありましたら、早めにご連絡下さい。

 

事業再生において銀行等が債務免除を行った場合、その会社には「債務免除益」が発生します。この債務免除益は通常の収益と同様に課税対象となりますが、繰越欠損金がある場合、その取り扱いが重要です。

● 通常の利益  会社の通常の営業活動などから得られる利益を指します。

● 債務免除益  銀行等からの債務免除により発生する特別利益であり、これも課税対象となります。

● 繰越欠損金  過去の会計年度において発生した損失のうち、まだ控除されていない部分を指します。繰越欠損金は、将来の課税所得から控除することができます。

税務上の取り扱い

通常の利益と債務免除益がある場合、それぞれの金額は以下のように計算されます。

・通常の利益債務免除益を合計します。

・合計した額から繰越欠損金を控除します。

これにより、課税対象となる利益が決定されます。具体的な計算手順は以下の通りです:

・通常の利益 + 債務免除益 = 総利益

・総利益 – 繰越欠損金 = 課税所得

課税所得がプラスの場合、その金額に対して法人税が課されます。もし、繰越欠損金が総利益を上回る場合、課税所得はゼロとなり、その年の法人税は発生しません。

<例>

・通常の利益: 1,000万円

・債務免除益: 500万円

・繰越欠損金: 1,200万円

この場合、計算は以下のようになります:

・1,000万円 + 500万円 = 1,500万円(総利益)

・1,500万円 – 1,200万円 = 300万円(課税所得)

したがって、300万円が課税所得となり、この額に対して法人税が課されます。

繰越欠損金の注意点

繰越欠損金には繰越期間の制限があり、日本では原則として繰越期間は10年間です。また、税務上の条件や制限事項もあるため、具体的な取り扱いについては専門家の助言を仰ぐことをお勧めします。

 

その他の事業再生時の繰越欠損金の活用

(1)再生中の利益と法人税の相殺

(2)グループ内での損益通算

(3)資本政策との連携

事業承継後・経営不振

相談者

B社  製造業

相談内容

・先代が 2 年前に亡くなり、息子が事業承継した。しかし、息子は仕事に対して誠意が見られず、遊興にふけっている。今期に入って資金繰りがいよいよ詰まりそうな状況に陥った。
 *本件はB社の顧問税理士の先生からの相談。

現在の状況

・年商:2 億円
・営業利益:△4000 万円
・粗利益率:40%
・現・預金残高:1200 万円
・社員:15 名
・銀行借入残高:7000 万円
☆ 6 ケ月後に資金不足予想。

対策

(1)  資金繰り不足解消の為に銀行に元本返済を 1 年間ゼロ(リスケジュール)にすることを依頼。営業利益が売上に対して 20%もの赤字なので追加借入をしても返済不能。

(2)   粗利益率が 40%あるので売上高を増やす計画を作る。新規販売先を見つける方法の一つとして、「自社技術をマッチングサイトで広告」する方法を選択。

(3)  製造原価の中で外注費割合が 60%を占めているために内製化を計画

(4)   労働分配率が 75%に達しているため、適性比率 55%に 1 年かけて改善する。

粗利益額が 8,000万円 として
現在の労働分配率 75% ― 適性比率 55% = 20%
8,000 万円 × 20% = 1,600 万円の改善になる。

 

上記をしっかりと計画して実行すること。
その前に後継者の意識改善が必要。

中小企業が必要な人材を確保するための施策として、以下のような多面的なアプローチが効果的です。これらの施策を実行することで、優秀な人材を引きつけ、定着させることが可能になります。

1 賃金と福利厚生の改善

・競争力のある賃金体系の導入他社と比較しても魅力的な給与水準を提供することは、優秀な人材を確保するための基本です。例えば、成果主義や業績連動型の報酬制度を導入し、働きに見合った報酬を提供することで、モチベーションを向上させることができます。

・柔軟な福利厚生制度働き手の多様なニーズに応えるために、従業員のライフステージに合わせた福利厚生を整備することが重要です。育児休暇や介護休暇の拡充、テレワークの導入、フレックスタイム制度の適用など、柔軟な働き方を支援する仕組みが人材定着に寄与します。

2 職場環境の改善と企業文化の見直し

・働きやすい環境の整備労働時間の短縮や業務の効率化を進め、従業員にとって働きやすい環境を提供することが重要です。過度な残業をなくし、健康的な職場環境を整えることで、離職率を低減させることができます。

・オープンでフラットな組織文化の醸成意見を言いやすく、チームメンバー間のコミュニケーションが活発な企業文化は、従業員のエンゲージメントを高め、企業への忠誠心を育てます。また、社員のキャリアパスが明確に示され、成長機会がある企業は、特に若い人材にとって魅力的です。

3 人材育成とキャリア開発の強化

・定期的なスキルアップの機会提供社内外の研修やセミナー、資格取得支援プログラムを充実させることで、従業員が自身のスキルを高める環境を提供します。これにより、長期的な視点でのキャリア形成を支援し、企業にとっても戦力強化が図れます。

・メンター制度の導入新入社員や若手社員に対してメンターをつけ、職場適応やスキル向上のサポートを行うことも有効です。従業員の個別の成長ニーズに応じたフォローアップができることで、離職のリスクを減少させます。

4 デジタル化・自動化による業務効率化

・ITAIの導入による業務の効率化デジタル技術の導入は、業務の自動化や効率化を促進し、限られた人材で最大限の成果を上げることを可能にします。たとえば、AIによるデータ分析、自動化された会計システム、クラウドを活用した業務の効率化を図ることで、人的リソースを重要な業務に集中させることができます。

・リモートワーク環境の整備: ITインフラを整え、遠隔でも働ける体制を導入することで、地理的に離れた場所からも優秀な人材を採用できるようにします。リモートワークを取り入れることで、家庭の事情などでフルタイム勤務が難しい優秀な人材にも対応可能です。

5 外国人労働者の活用とサポート

・外国人労働者の積極的な受け入れとサポート体制の強化少子高齢化が進む日本では、外国人労働者の活用が重要な選択肢となります。適切な在留資格の取得支援や、生活面でのサポート(住居の提供、文化・言語のサポート)を充実させることで、外国人労働者が安心して働ける環境を整えることが求められます。

・多様な文化に対応する職場作り多文化共生を推進し、異なる国籍の従業員が働きやすい職場環境を整えることも大切です。外国人労働者がスムーズに職場に適応できるよう、研修や語学サポート、文化的な理解促進のための取り組みが必要です。

6 採用プロセスの改善

・デジタルを活用した採用の強化: SNSや採用プラットフォームを活用して、幅広い求職者にアプローチすることが重要です。リクルーティングにおけるオンライン面接やチャットボットを活用した応募者対応など、デジタル化を進めることで採用活動の効率を高めます。

・インターンシップや研修制度の充実若い人材に対しては、インターンシップを通じて早い段階で会社の雰囲気や業務内容に触れてもらうことが有効です。実際の業務体験を通じて企業への理解を深め、長期的な採用につなげることが可能です。

7 地域との連携強化

・地方自治体や学校との連携地域の自治体や大学、専門学校との連携を強化し、地元の若者や潜在労働者層との接点を増やすことが重要です。産学連携やインターンシップを通じて、地域での雇用創出を目指します。

・地方の魅力発信地方で事業を展開する企業は、生活環境の良さや地域資源をアピールすることで、都市部からの移住者やUターン労働者を惹きつけることができます。

8 M&Aや提携による人手不足の解消

・M&Aや業務提携の活用他企業とのM&Aや提携を通じて、人材リソースを共有し、業務効率を高める戦略も考えられます。特に異業種や競合企業との提携は、ノウハウやリソースの補完によって組織全体の強化が期待できます。

 

これらの施策を組み合わせて実行することで、優秀な人材を確保し、企業の持続的な成長につなげることが可能です。

中小企業の場合、資金力や人材が不足しているので、これらの施策を行うのは無理とあきらめるところもあるかもしれません。あきらめてしまっては、「人手不足倒産」に向かってしまいます。

当社では、「人材の採用と定着」を支援するプロである社会保険労務士と提携していますので、「人材採用」にお困りの場合はお問い合せ下さい。

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