名古屋で事業再生に特化した経営コンサルティングを行う

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中小企業の経営者が事業継続に行き詰まったとき、最初に相談する相手は誰か。

多くの場合、それは長年付き合いのある「顧問税理士」です。資金繰り、決算、融資、節税――日常的に経営の内情を共有し、最も信頼を寄せている存在こそが税理士の先生方であり、経営の「最後の判断」にも影響を与えるキーパーソンです。

 

今回のテーマは「廃業支援」

顧問先の経営者にとって、“終わり”を考えるのは容易なことではありません。しかし、事業が再生もM&Aも難しい段階に来ているならば、現実的かつ前向きな「撤退戦略」として、税理士の先生が声をかけてあげることが、経営者を救う大きな支えとなります。

 

廃業支援における税理士の重要な役割

「廃業支援」は、税理士の先生がもっとも力を発揮できる分野の一つです。

というのも、廃業には次のような専門的な対応が必要であり、それぞれに税務的な影響があるからです。

・資産・負債の整理と処分

・最終申告・清算決算

・残余財産の分配と税務対応

・未払い債務や引当金の処理

・個人保証や私財への影響整理

これらは、法律や会計の知識だけでは対応しきれません。税理士の先生が、経営者の人生設計や資産状況まで視野に入れてアドバイスできる存在だからこそ、「安心して話せる」場が生まれるのです。

 

「廃業支援チーム」による伴走が必要な理由

とはいえ、廃業には税務以外にも多岐にわたる課題が生じます。

・金融機関との交渉やリスケ対応

・従業員の退職・転職支援

・売掛金や在庫・設備の回収・売却

・家族の生活基盤(自宅や保有資産)の保全

・借入の連帯保証や法的リスクの整理

こうした局面では、税理士の先生お一人で対応できる範囲を超えてしまうことも多いのが現実です。そこで重要になるのが、他士業や専門家との連携による「廃業支援チーム」の構築です。

当社では、事業再生・廃業支援に精通したコンサルタントを中心に、金融機関との調整や資産保全スキームの立案、必要に応じて弁護士・社労士・不動産の専門家と連携しながら、経営者の「ソフトランディング」を支援しています。

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当社が税理士の先生と連携することで提供できる価値

当社では、これまで多くの中小企業の再生や撤退に関わってきた経験を活かし、次のような形で税理士の先生方と力を合わせることができます。

・経営者との初期面談に同席し、判断の材料を整理

・再生/M&A/廃業の選択肢を検討・提案

・債権者(金融機関等)との交渉支援

・経営者の自宅や資産を守るためのスキームの提案

・必要に応じた弁護士・他士業との橋渡し

「廃業ありき」ではなく、まずはすべての可能性を検討し、それでも難しい場合に「廃業という合理的な道筋」を示すことを大切にしています。

その際、税理士の先生の存在は欠かせません。数字の裏付け、経営者の信頼、そして廃業後の税務処理を通じて、最後まで経営者に寄り添う力をお持ちだからです。

 

「先生からのひと言」が経営者を救うこともある

廃業という選択は、経営者にとって感情的にも非常に重いものです。

「もう限界かもしれないけれど、誰にも言えない」――

そうした思いを抱えたまま、時間だけが過ぎてしまうことも多くあります。

そんなときに、信頼する税理士の先生から

「無理に続けるより、次の人生に進む道もありますよ」

という言葉があれば、経営者は救われるかもしれません。

 

顧問先に「悩んでいる経営者」がいれば、ご紹介ください

当社では、廃業を「失敗」や「終わり」としてではなく、経営者の新たなスタートを支える出口戦略としてとらえています。

「このまま続けるよりも、きちんと幕を下ろした方がいいのでは」

「再生やM&Aも難しく、八方ふさがりに見える」

――そんな顧問先がいらっしゃれば、ぜひ一度ご紹介ください。

税理士の先生と力を合わせて、経営者が最善の判断を下せるよう、全力でサポートいたします。

次の世代につなげる「承継」も、経営を終える「廃業」も、どちらも価値ある経営判断です。

今後も、税理士の先生方と共に、中小企業の経営者にとって「最後まで信頼できる支援者」でありたいと願っています。

お問い合わせはこちら

 

顧問先の「最後の出口戦略」、私たちと一緒に支援しませんか?

事業再生を専門とする当社では、「再生」「承継」「売却」の可能性を探ったうえで、やむを得ず「廃業」という選択に至る中小企業の支援にも力を入れております。

特に税理士の先生方が顧問先の最も信頼できる相談相手であることを、私たちも日々実感しています。

当社の廃業支援の強みは、以下のとおりです:

借入金返済への現実的な対応力

 事業再生の現場で培ったノウハウを活かし、金融機関との調整やリスケ交渉にも精通しています。

経営者の生活基盤を守る支援

 自宅や保有財産を極力守る視点から、「引き際」の設計を行います。

「廃業ありき」ではない柔軟な対応

 状況に応じて、事業再生やM&Aによる売却の選択肢も併せてご提案可能です。

弁護士をはじめ、多様な専門家との連携体制

 法的整理が必要な場合も、速やかに対応できる体制を整えております。

 

経営者が最終判断を下すまでには、多くの迷いと不安があります。

「無理に続けて消耗するより、今が引き際かもしれない…」

そんな顧問先がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちをご紹介ください。

税理士の先生方と連携し、経営者にとって後悔のない選択ができるよう、丁寧に寄り添った対応をお約束いたします。

 

企業の成長や発展には「経営理念」が欠かせないと言われますが、それは大企業に限った話ではありません。むしろ、従業員が数名の中小企業こそ、経営理念を明確にすることが重要です。本記事では、その理由と、経営理念を設定することで得られる具体的なメリットについて解説します。

後半には、「土建屋の親父社長」への「経営理念の必要性」の説明の仕方を示しています。

 

1 経営理念とは何か?

経営理念とは、企業が存在する目的や価値観、そして経営者の想いを言語化したものです。単なるスローガンではなく、企業の意思決定や行動の指針となる重要な役割を果たします。

例えば、

「地域社会に貢献する」

「お客様第一のサービスを提供する」

「社員の幸福を追求する」

といった理念があれば、経営者だけでなく、従業員も企業の目指す方向を理解しやすくなります。

 

2 小規模企業にも経営理念が必要な理由

1)経営者の考えを従業員と共有できる

中小企業では、経営者がほぼすべての意思決定を担うことが多いですが、従業員との価値観の共有がなければ、仕事の進め方にズレが生じることがあります。経営理念を明確にすることで、従業員が自発的に経営者の意向を理解し、共通の目標に向かって行動できるようになります。

2)従業員のモチベーション向上

企業の存在意義や目指すべき方向性が不明確なままだと、従業員は「何のために働いているのか」がわからず、モチベーションが下がることがあります。しかし、経営理念がしっかりしていれば、仕事の目的が明確になり、やりがいを感じやすくなります。

3)採用活動や人材定着に役立つ

中小企業にとって、人材の確保や定着は大きな課題です。経営理念を掲げることで、自社の考えに共感する人材が集まりやすくなり、離職率の低下にもつながります。「この会社の考え方が好きだ」「自分もこの理念のもとで働きたい」と思ってもらえることが、人材の定着に貢献します。

4)事業の方向性をぶらさず成長できる

事業を展開していく中で、さまざまな選択肢が生まれます。しかし、明確な経営理念がないと、目先の利益を追い求めて本来の目的とは違う方向に進んでしまうこともあります。理念があれば、判断基準がブレず、企業の成長を一貫したものにできます。

5)お客様との信頼関係が強化される

お客様は単に商品やサービスの価格だけで企業を選ぶのではなく、企業の価値観や姿勢にも関心を持っています。経営理念を明確にすることで、お客様に企業の想いが伝わり、信頼関係が築きやすくなります。

 

3 経営理念の作り方

1)企業の目的を明確にする

「なぜこの事業をしているのか?」を改めて考え、企業の存在意義を明確にします。

2)価値観を整理する

企業として大切にしたい価値観を考え、具体的な言葉にします。

3)簡潔でわかりやすく表現する

理念が長すぎたり難解すぎたりすると、従業員やお客様に伝わりにくくなります。短くシンプルな言葉にまとめましょう。

(4)従業員と共有し、実践する

経営理念は掲げるだけでは意味がありません。日々の業務の中で意識し、実践してこそ効果を発揮します。

 

4 まとめ

経営理念は大企業だけのものではなく、中小企業にとっても不可欠なものです。特に、経営者の考えを従業員と共有し、会社を一つの方向に導くためには、経営理念の明文化が欠かせません。自社の理念を明確にし、組織全体の結束力を高めていきましょう。

 

土建屋の親父社長に「経営理念」の必要性を説明

 土建業をはじめとする中小零細企業の社長(特に職人上がりの親父社長)に「経営理念が必要だ」と話しても、ピンとこない場合が多いです。

その理由は、経営理念という言葉が抽象的で、現場での実務や商売の実情と直結しにくいからです。

そこで、以下のような 「わかりやすい事例」 や 「社長にとってのメリット」 を交えながら説明すると、納得してもらいやすくなります。

 

1 「経営理念って、そんなに大層なもんじゃない!」と伝える

「社長、経営理念って言うとなんかカッコつけた話に聞こえるかもしれませんけど、要は 『うちの会社は何を大事にして、どんな仕事をするのか?』を決めること なんですよ。」

★ 社長の口癖を理念にする

「社長、普段から『ウチの仕事は、手抜きせずにちゃんとやる!』とか、『ウチの職人はお客さんとの約束は絶対守る!』って言ってますよね?それってもう立派な経営理念なんです。」

こう伝えることで、「理念=難しいもの」ではなく、社長が普段大事にしている考えそのものだと気づかせます。

 

2 「人手不足の今だからこそ必要」と伝える

建設業は特に 「人手不足」 が深刻です。人が定着しない理由のひとつに、 「社長の考えが伝わっていない」 という問題があります。

★ 「経営理念がないと、人がすぐ辞めていく」

「最近の若い職人は、単に『給料がいいから』だけで仕事を続けるわけじゃないんです。

『この会社はどんな仕事をして、どんな考えで仕事をしているのか』が見えないと、すぐに辞めてしまうんです。」

★ 「経営理念があると、会社に合う人が集まる」

「社長の考えがしっかり伝わっていれば、それに共感する職人が集まります。

例えば『ウチは手抜きをしない仕事をする』と明言していれば、それが嫌な人は最初から来ません。

逆に、そういう職人になりたい人は、長く働いてくれます。」

 

3 「仕事が増える」ことを強調する

土建業では、元請けや顧客からの 「信頼」 が何より重要です。

その信頼を得るためにも、経営理念が役立つことを伝えましょう。

★ 「ちゃんとした会社だと思われると、仕事が増える」

「最近、元請けの会社やお客さんも、ちゃんとした会社かどうかを気にするようになっています。

『この会社はどんな考えで仕事をしているのか』が明確だと、元請けやお客さんも安心するんです。」

★ 「口コミや紹介が増える」

「『あそこの会社は仕事が丁寧だ』とか、『社長がちゃんとしてる』って評判が立つと、仕事がどんどん来るんですよ。

それをハッキリさせるためにも、経営理念を言葉にしておくといいんです。」

 

4 「社長が楽になる」ことを伝える

経営理念があると、社長の考えが従業員に伝わりやすくなり、 社長がいちいち指示しなくても動く人が増える というメリットがあります。

★ 「社長がいなくても、仕事が回るようになる」

「毎回、職人に『こうしろ、ああしろ』って言うの大変じゃないですか?

『ウチはこういう考えで仕事をする』って決めておけば、社員も勝手にその基準で動くようになるんですよ。」

★「無駄なトラブルが減る」

「仕事のやり方がバラバラだと、職人同士の揉め事が増えます。

でも、経営理念がハッキリしていると、みんな同じ方向を向くので、無駄なトラブルが減ります。」

 

5 「有名な会社もみんなやってる」と伝える

大企業の例を出すと、「うちはそんなに大きくないから関係ない」と言われることがあります。

その場合は、 「成功している地元の会社」 や、 「業界で評価の高い企業」 の事例を出すと説得力が増します。

★ 「成功している会社は、みんな経営理念を持ってる」

「例えば、◯◯工務店さん(地元の有名な会社)も、『お客様に長く愛される仕事をする』っていう理念を大事にしてますよね?

そういうのがあると、仕事が途切れにくくなるんです。」

★ 「社長の代わりに会社の顔になる」

「社長が元気なうちはいいんです。でも、いつか引退するとき、経営理念がないと会社の方針がバラバラになっちゃいます。

早いうちに『ウチはこういう会社だ』って決めておけば、将来も安心ですよ。」

 

まとめ

土建屋の親父社長に「経営理念が必要」と説明する際は、 抽象的な話を避けて、具体的なメリットを伝える のがポイントです。

効果的な伝え方のポイント

「社長が普段言ってることが、すでに経営理念ですよ」 と伝える

「経営理念があると、人が辞めにくくなるし、いい職人が集まる」 と説明する

「仕事が増えるし、元請けやお客さんの信頼も得られる」 と説得する

「社長が楽になるし、無駄な指示やトラブルが減る」 とアピールする

「成功してる会社はみんなやってるし、将来のためにも必要」 と納得させる

特に、「仕事が増える、人が定着する、社長が楽になる」の3点を強調すると、親父社長も「なるほど」と納得しやすくなります。

 

銀行との2つの付き合い方

また、経営が不振になった時に重荷になるのも「金融機関への借入金の返済」です。

ここでは、

・借入ができる条件

・返済を一時的に止める等の「リスケジュール(リスケ)」の条件

について整理して紹介します。

銀行から借入ができる条件

銀行は、業績が悪い企業(回収に懸念がある)には新規の貸出は行いません。借入ができるのは経営的に「正常」な企業です。「正常」とは、次の3つの状態を総合的に判断されます。

(1)返済原資が確保できること

(2)自己資本がプラス、債務超過でないこと

(3)金融機関との取引実績に傷がないこと

(1)返済原資が確保できること

借入金を返済できる年数(債務償還年数)が「7年~10年」以内であること。

借入金は、事業活動で生み出すキャッシュ(簡易キャッシュフロー:純利益+減価償却費)が返済原資になります。

すなわち、利益が出ないと返済ができないので、金融機関からの借入は難しくなります。

これを式で表すと次のようになります。

■ 債務償還年数=正味の借入額÷簡易キャッシュフロー

        = 7年(~10年)

  □ 正味の借入額=借入金ー現預金ー運転資金

    *運転資金=売上債権+棚卸資産ー仕入債務

  □ 簡易キャッシュフロー=純利益+減価償却費

(2)自己資本がプラス、債務超過でないこと

貸借対照表(バランスシート)を確認して、資産、負債を実態に合わせて評価されます。

・プロパー融資(銀行単独の融資):ある程度厳しく評価して判断します。評価の基準は金融機関によってかなり違います。

・保証協会付融資・日本政策金融公庫融資は比較的柔軟に対応してもらえる可能性があります。

(3)金融機関との取引実績に傷がないこと

これは、次に示す状況をいいます。

・借入の返済が滞っていない

・資金使途違反がない など

 

リスケの条件

リスケは金融機関からの借入の返済の条件変更(一定期間の支払いの停止や減額)を受けることです。

リスケは「傷」ではなく、契約のまき直しです。

このリスケを認めてもらうには、リスケの実施により最大5年以内に「正常な企業」になることが必要です。

*正常な企業とは、先の「借入ができる企業」と同じです。すなわち、

(1)返済原資が確保できること

(2)自己資本がプラス、債務超過でないこと

通常は、これを実現するために「経営改善計画」を策定します。

この「経営改善計画」は、借入先の金融機関内部の「リスケ」の承認を得るために必要です。

この「経営改善計画」には、次の数値を達成することを示すことが必要です。

・条件1:3年以内に黒字化

・条件2:5年以内に債務超過を解消(自己資本がプラス)

・条件3:5年後(債務超過解消後)、債務償還年数10年以内

BCP(事業継続計画)

BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

*BCP:Business Continuity Planning

ここでは、BCPの中小企業版(簡易版とも言える)としての「事業継続力強化計画」について紹介します。

事業継続力強化計画

BCPは、1970年代にアメリカ・イギリスで事業を継続する1つの手段・手法として関心が高まってきたことで始まりました。実際にBCPが広まったのは、21世紀幕開け直後。2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロをきっかけとして、全世界の企業たちが事業継続の重要性を考えるようになりました。

日本でも政府の働きかけもあり、大企業を中心にBCPの策定が進められましたが、中小企業への広がりはごくわずかでした。

一方、頻発する地震や洪水などで被害を受ける工場などの各種の施設が被害を受け、被害を受けた企業だけでなく、その製品等を使用する企業も部品や資材が入らなくなり生産が止まり、事業活動に影響がでています。

そのため大企業だけでなく中小企業でも「BCP」を策定する必要がありますが、大企業で策定されているBCPは広範囲にわたり、複雑であることもあり、中小企業には人的資源、時間の面で策定が難しいのが現実です。

政府は中小企業でも策定が容易で効果が期待できる「事業継続力強化計画」の認定制度をスタートさせました。

2019年(令和元年)7月に「中小企業強靭化法」が施行され、その中に組み込まれました。

 

事業継続計画の記載項目

事業継続力継続計画には次に示す内容を記載し、「GビズID」を使って「経済産業大臣(地方経済産業局)」に申請して認定を受けます。

(1)事業継続力強化に取り組む目的の明確化

・従業員、顧客などの人命を守る

・(事業を継続させ)就業員の雇用を守る

・供給責任を果たし、顧客からの信用を守る など

(2)災害リスクの確認・認識

・ハザードマップ等を活用して、自社拠点(事務所・工場等)の自然災害や感染症等に対するリスクを認識する

・認識したリスクに対して事業への影響を評価する(被害の想定)

*この時は「ヒト(人員)」「モノ(建物・設備・インフラ)」、「カネ(資金繰り)」「情報(事業運営に関するデータ)」の4つの切り口から検討を行なう

(3)初動対応の検討

・災害が発生した直後にまず何をすべきか、初動対応を検討する

*人命の安全確保

*緊急時に対応できる体制の構築

*被害状況の把握・共有  など

(4)ヒト・モノ・カネ・情報への対応

・(2)で認識した「ヒト・モノ・カネ・情報」への影響を踏まえ、事業を継続できる対策を検討する

*欠員が出ても柔軟に対応できるように従業員の多能化の推進

*事務所、工場等の耐震化

*金融機関などからの借入の検討(運転資金の確保)

(5)(災害発生を前提とした)平時の取組み

・計画の推進体制の明確化(経営層のコミットメント)

・訓練実施、計画の見直し等、取組の実効性を確保する取組

 

認定を受けた企業に対する支援策

認定を受けた企業は次に示す支援策を受けられます

・低利融資、信用保証枠の拡大等の金融支援

・防災・減災設備に対する税制措置

・補助金(ものづくり補助金等)の優先採択(加点)

・連携をいただける企業や地方自治体等からの支援措置

 

事業継続力強化計画とBCPの違い

(1)事業継続力強化計画は国から認定される

事業継続力強化計画は、中小企業強靭化法によって定められたもので、作成方法や計画書の記入項目(前述)が決められていて、自発的に申請し要件を満たすことによって、国から認定を受けることができます。

*BCP(事業継続計画)には現時点では認定制度はありません

(2)能力の強化が重視

計画策定という側面よりも企業の災害に関する「能力強化」が重視されています。すぐに行動に起こせる内容で高い実効性を持っています。

(3)シンプルな内容

中小企業では単一事業を行なうことが多く、大企業に比べ決めるべきことが少ないので、計画がシンプルになります。

ただし、見かけはシンプルですが、その内容は充分な検討が必要です。方向性を間違うと策定する意味がなくなります。

(4)高い実効性

事業継続力強化計画は、緊急事態発生時における「初動」としての内容や手順を考えることを重視しており、定期的な訓練や計画の見直しにも重点が置かれており、実効性を高めるものとなっています。

 

リスクは災害だけではない

先の投稿で示した中小企業の状況を示した図を再掲します。

これを見てわかるように「災害リスク」だけでなく、企業経営には様々なリスクが存在します。

まずは、大局的に「自社の状況」を把握して、今回示した「事業継続力強化計画」の手順で「リスク」を抽出し、抽出したリスクの重み付けを行なうことです。

中小企業は、経営資源に限りがあり、限られた資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を有効に使うことを考えることが必要です。

変化が激しい「VUCA(ブーカ)」の時代の中でも、「現状を把握」することが重要です

*「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」

*1990年代後半にアメリカで軍事用語として発生、2010年代になってビジネスの業界でも使われています

 

事業再生において、借入金を返済していくためには利益を出すことが必要です。

例えば、頑張って利益を「1,000万円」出しても税金で「約300万円」を払うことになり、返済には「700万円」しか充てることができません。

この時に、税金の支払いを少なくするために、これまでの赤字分(繰越欠損金)を活用することができます。

今回は、事業再生時の繰越欠損金の活用を紹介します。

繰越欠損金とは

繰越欠損金とは、企業が過去に生じた損失額のことで、これを将来の所得から控除することで税負担を軽減できる制度です。日本の税法では、一定の期間(通常は10年間)、繰越欠損金を利用して将来の利益から控除することが認められています。これにより、過去の損失を埋め合わせ、企業の財務状況を安定させることが可能となります。

 

事業再生時における繰越欠損金の活用方法

経営が悪化し事業再生を行う際、繰越欠損金は以下のような方法で有効に活用できます。

1 債務免除益の活用

債務免除益とは、再建過程で債権者が一部の債務を免除することで企業に発生する利益のことです。この債務免除益は通常、課税対象となりますが、繰越欠損金を利用することで課税額を減少させることが可能です。具体的には、過去の損失と債務免除益を相殺することで、実質的な課税所得を減らすことができます。これにより、再建過程における税負担を軽減し、企業の財務再建を助ける効果があります。

2 再生中の利益と法人税の相殺

事業再生の過程で企業が利益を上げることができれば、その利益に対して法人税が課されます。しかし、繰越欠損金を利用することで、この利益と過去の損失を相殺し、実際に支払う法人税額を減少させることができます。これにより、企業は再生過程で得た利益を再投資や債務返済に充てることができ、よりスムーズな再建を図ることができます。

3 グループ内での損益通算

企業グループ内で繰越欠損金を持つ会社がある場合、その繰越欠損金を他のグループ企業の利益と通算することで、グループ全体の税負担を軽減することができます。これにより、グループ全体の資金繰りを改善し、経営再建を支援することが可能です。

4 資本政策との連携

増資や第三者割当増資を行う際に、繰越欠損金を有効活用することで、投資家に対して将来の税負担の軽減をアピールすることができます。これにより、投資家からの資金調達が円滑に進む可能性が高まります。

 

以上のように、繰越欠損金は事業再生の際に様々な方法で活用することができます。これにより、企業は財務状況を改善し、再建を成功させるための強力なツールとして活用することができます。りの経営者様お電話いますぐOK!

銀行等からの借入に関して、「保全」と「与信」は非常に重要な概念です。それぞれの意味と相互の関係について説明します。

 

保全(ほぜん)

保全とは、貸出先が万一返済不能になった場合に備えて、銀行が取るリスク管理の措置のことを指します。具体的には、以下のような手段が含まれます。

1担保(たんぽ):

貸出先が返済できなくなった場合に備えて、借入者の不動産や有価証券などを担保として設定します。

2 保証人(ほしょうにん):

返済が滞った場合に代わりに返済を行う第三者(保証人)を立てます。

3 保険:

返済不能時に保険金が支払われる保険契約を結ぶこともあります。

 

与信(よしん)

与信とは、銀行が借入者に対して信用を供与する行為、すなわち融資を行うことを指します。与信には、借入者の信用力や返済能力を評価し、その結果に基づいて融資の可否や条件を決定するプロセスが含まれます。

 

保全と与信の相互関係

保全と与信は密接に関連しています。具体的な関係性は以下の通りです:

1 リスク管理の一環:

与信判断を行う際には、借入者の信用力評価だけでなく、返済不能時のリスクに備えるために保全策も同時に考慮されます。適切な保全が取られている場合、与信判断がより積極的になることがあります。

2 信用供与の条件:

銀行が融資を行う際、保全の内容によって貸出条件が変わることがあります。例えば、十分な担保が設定されている場合は、金利が低く設定されることがある一方で、担保が不十分な場合は金利が高く設定されることがあります。

3 貸出上限の決定:

保全がしっかりしている場合、銀行はより大きな金額の融資を行うことが可能になります。逆に、保全が不十分であると、与信額が制限されることがあります。

 

まとめ

・保全は貸出リスクを低減するための措置であり、担保や保証人の設定などが含まれます。

・与信は信用供与の行為であり、借入者の信用力と返済能力に基づいて融資を決定します。

・保全と与信は相互に関連しており、適切な保全があると与信判断がより積極的になる一方で、保全が不十分であると与信が制限されることがあります。

これらの概念を理解することで、借入を検討する際にどのような準備が必要か、また銀行がどのようにリスクを管理しているかが分かるようになります。

 事業計画はどのようにつくるのか?

1.あるべき姿(目標)を決める

・事業計画を策定するためには、経営者の夢、理想、アイデア等をもとに“将来どのような企業になっていたいのか”というあるべき姿を明確にすることが重要となります。

・事業計画は、戦略を実現するために必要な具体的な施策の行動計画と、その結果自社がどのような状態になっているのかを表した数値によって表します。

ここで留意しなければならないことは、数値を作成するためにはその前提となる根拠が明確でなくてはならないということです。このため、現状分析を行う必要がでてきます。

2.現状分析を行う

 A) 今、いくらお金があるか?

 B) 今、社員数、社員のレベルはどの位か?

 C) 自社の問題点はどこにあるのか?

・事業計画は、現状から“あるべき姿”に到達するための道筋を示したものです。

道筋を示すためには、自社が現在どのような状況にあるか現状を正しく把握することが重要となります。自社の現状を正しく把握するための分析として、自社を取り巻く経営環境について分析する「外部環境分析」および自社が保有する経営資源や収益構造について分析する「内部環境分析(自社分析)」を行います。

・事業計画の策定は、現状を正しく把握した上で、“あるべき姿”とのギャップを認識することから始まります。現状を誤って認識してしまうと、策定する事業計画が意味のないものになります。したがって、正しく現状を分析することが求められます。

・分析時の留意点は、何を明らかにするのかを明確にするということです。

これら全ての分析を必ず行わねばならないということではなく、明らかにしたいことを明確にした上でそれに大きく関わる領域について分析することが重要となります。

これにより、効率的に分析を行うことができます。

3.現状分析の結果に沿って、一つひとつ計画を作り上げる

・事業計画を策定する際は、短期的過ぎると実現できることが限られてしまい、長期的過ぎると予測が困難になります。したがって、3~5年程度先のあるべき姿を見越した計画を策定することが望ましいです。

 ・事業計画書において、必要な項目はだいたい限られます。

 その項目は、以下にまとめられるのではないかと思います。

 A) 会社概要

 B) ビジョン(何年後には“こうなるぞ!”という形)

 C) 誰に売るのかの分析

 D) 競合相手は誰かの分析

 E) 自社の強い点と弱い点の分析

 F) 事業概要

 G) 新事業計画(将来的な事業計画)

 H) 業務フロー(顧客獲得から、収益確保までの流れ)

 I) 人員計画(誰が何を担当するのか)

 J) 短期収支計画(6ヶ月~1ヵ年)の売上と利益

簡単に書くと、10項目くらいになりますが、全てが必要なわけではありません。

状況に応じて、必要な項目で構成する形がベストと思われます。効率の良い事業計画書の作成は、基本計画を作成しておいて、必要時(金融、社内コミュニケーション時)に必要な内容を抜き出し、再構成しやすい形になっていることで、事業計画書がより使い易いものになります。

 

従来のやり方では通用しない。これからの5年間は「いかに生き残るか!!」をテーマにして経営を行わなければなりません。ならば、ドンブリ経営(自己満足経営)を止めてしっかりした『事業計画』が必要です。

 

事業パートナー東海にご相談頂ければ、案件によっては「(株)事業パートナーの松本社長」と連携して事業再生・事業承継等に取り組みます。

 事業計画はどのようにつくるのか?

1.あるべき姿(目標)を決める

・事業計画を策定するためには、経営者の夢、理想、アイデア等をもとに“将来どのような企業になっていたいのか”というあるべき姿を明確にすることが重要となります。

・事業計画は、戦略を実現するために必要な具体的な施策の行動計画と、その結果自社がどのような状態になっているのかを表した数値によって表します。

ここで留意しなければならないことは、数値を作成するためにはその前提となる根拠が明確でなくてはならないということです。このため、現状分析を行う必要がでてきます。

2.現状分析を行う

 A) 今、いくらお金があるか?

 B) 今、社員数、社員のレベルはどの位か?

 C) 自社の問題点はどこにあるのか?

・事業計画は、現状から“あるべき姿”に到達するための道筋を示したものです。

道筋を示すためには、自社が現在どのような状況にあるか現状を正しく把握することが重要となります。自社の現状を正しく把握するための分析として、自社を取り巻く経営環境について分析する「外部環境分析」および自社が保有する経営資源や収益構造について分析する「内部環境分析(自社分析)」を行います。

・事業計画の策定は、現状を正しく把握した上で、“あるべき姿”とのギャップを認識することから始まります。現状を誤って認識してしまうと、策定する事業計画が意味のないものになります。したがって、正しく現状を分析することが求められます。

・分析時の留意点は、何を明らかにするのかを明確にするということです。

これら全ての分析を必ず行わねばならないということではなく、明らかにしたいことを明確にした上でそれに大きく関わる領域について分析することが重要となります。

これにより、効率的に分析を行うことができます。

3.現状分析の結果に沿って、一つひとつ計画を作り上げる

・事業計画を策定する際は、短期的過ぎると実現できることが限られてしまい、長期的過ぎると予測が困難になります。したがって、3~5年程度先のあるべき姿を見越した計画を策定することが望ましいです。

 ・事業計画書において、必要な項目はだいたい限られます。

 その項目は、以下にまとめられるのではないかと思います。

 A) 会社概要

 B) ビジョン(何年後には“こうなるぞ!”という形)

 C) 誰に売るのかの分析

 D) 競合相手は誰かの分析

 E) 自社の強い点と弱い点の分析

 F) 事業概要

 G) 新事業計画(将来的な事業計画)

 H) 業務フロー(顧客獲得から、収益確保までの流れ)

 I) 人員計画(誰が何を担当するのか)

 J) 短期収支計画(6ヶ月~1ヵ年)の売上と利益

簡単に書くと、10項目くらいになりますが、全てが必要なわけではありません。

状況に応じて、必要な項目で構成する形がベストと思われます。効率の良い事業計画書の作成は、基本計画を作成しておいて、必要時(金融、社内コミュニケーション時)に必要な内容を抜き出し、再構成しやすい形になっていることで、事業計画書がより使い易いものになります。

 

従来のやり方では通用しない。これからの5年間は「いかに生き残るか!!」をテーマにして経営を行わなければなりません。ならば、ドンブリ経営(自己満足経営)を止めてしっかりした『事業計画』が必要です。

 

事業パートナー東海にご相談頂ければ、案件によっては「(株)事業パートナーの松本社長」と連携して事業再生・事業承継等に取り組みます。

自宅を担保にした経営者への注意点

こんにちは、松本光輝です。今回は、自宅を担保にして会社の資金を借りる経営者の方々に向けて、お話しさせていただきます。このテーマは多くの方にとって身近でありながら、誤解や不足している知識が多い分野です。では、早速見ていきましょう。

自宅を担保にするとは?

まず、「自宅を担保にする」ということは、借りたお金が返せなくなったとき、その自宅を銀行に渡すことを意味します。担保に入れた不動産等は一時的に自分のものとして使用できますが、完全に自分のものとは言えません。経営が不振に陥ったり、住宅ローンの返済が滞ったりすると、不動産が売却されるか、競売に掛けられる可能性があります。このような事態に陥らないためには、正しい知識が必要です。

競売や売却を避けるためには?

自宅が競売に掛けられたり、売却されると、当然ですがその家から退去しなければなりません。これでは家族が途方に暮れてしまいます。こうした事態を避けるためには、以下のステップを踏むことが重要です。

1 銀行と相談まずは銀行に相談し、「いくら支払えば担保を外してもらえるか」を確認します。その金額を銀行に支払って担保を外してもらう必要があります。

2 資金の準備そのためのお金は、事前に1年から2年を掛けて会社と個人で用意します。全額を用意できない場合は、親戚や信頼のおける知人に協力を依頼し、住宅ローンで不足分を用意してもらうことになります。

3 セール&リースバックもし必要であれば、第三者の名前で住み続ける「セール&リースバック」という方法もあります。これは、家を一旦売却して賃貸契約を結び、同じ家に住み続けるというものです。

経営者が守るべきもの

経営者にとって、従業員を守ることはもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは「自分の家族を守ること」です。経営者が自分の家族を守れないのに、他人の家族を守ることはできません。ですので、自宅の担保設定についても十分に注意を払うべきです。

担保の種類

担保には「普通抵当」と「根抵当」の二種類があります。絶対に失ってはならない自宅などは「普通抵当」にするのが常識中の常識です。根抵当は、将来の債務も含めて担保とするものであり、リスクが高くなりますので注意が必要です。

最後に

中小企業にとっては、「経営は上手く行かないのが当たり前」と考えて、日々精進することが大切です。経営において重要なのは、「成功しなくても良いから、失敗しないこと」です。どんな些細なことでも経営で悩んだら、ぜひご相談ください。またお会いしましょう。

 

事業パートナー東海にご相談頂ければ、案件によっては「(株)事業パートナーの松本社長」と連携して事業再生・事業承継等に取り組みます。

会社が金融機関からより多くの融資を得るためには、以下のような内容を示すことが重要です。これらの情報を提供することで、金融機関に対して会社の信用力や返済能力をアピールすることができます。

1 財務状況の詳細

財務諸表:

・最新の貸借対照表、損益計算書、資金繰り表(キャッシュフロー計算書)を提供します。

過去の業績:

・過去数年間の業績を示し、売上や利益の成長トレンドを説明します。

・安定した収益を示すことで、返済能力の高さをアピールします。

2 事業計画と成長戦略

事業計画書:

・今後数年間の事業計画を詳細に記載した書類を提供します。

・市場分析、競合分析、販売戦略、マーケティング戦略、新製品開発計画などを含めます。

成長戦略:

・成長の見込みや新規プロジェクトの詳細を説明し、それがどのように収益に貢献するかを明示します。

・新規市場への参入計画や拡大戦略を含めます。

3 担保および保証

担保資産:

・提供可能な担保(不動産、有価証券、在庫、設備など)の詳細を示します。

・担保の評価額や所有権証明書を提供します。

保証人:

・企業の返済能力を補完するために保証人を立てる場合、その保証人の財務状況や信用情報を提供します。

4 経営陣と従業員の情報

経営陣のプロフィール:

・主要経営陣の経歴、経験、専門知識を説明します。

・経営陣の信頼性と専門知識が、会社の成功に寄与することを示します。

従業員のスキルと組織力:

・主要な従業員のスキルや経験を強調し、組織の強みを示します。

5 業界および市場の情報

業界分析:

・会社が属する業界の現状や将来の見通しについての分析を提供します。

・業界の成長性や市場のポテンシャルを示し、会社のビジネスが持続可能であることを証明します。

市場シェア:

・現在の市場シェアや顧客ベースについて説明し、競争優位性を強調します。

6 リスク管理とコンプライアンス

リスク管理体制:

・リスク管理の方針や体制、具体的なリスク対策について説明します。

・法令遵守(コンプライアンス)体制を明確にし、企業としての信頼性を高めます。

 

まとめ

金融機関に対して会社の財務状況、事業計画、担保および保証、経営陣の情報、業界および市場の情報、リスク管理体制を詳細に示すことが、より多くの融資を得るために重要です。これにより、金融機関は会社の信用力や成長ポテンシャルを評価しやすくなり、融資の決定に積極的になる可能性が高まります。

事業パートナー東海では、これまでの「経営改善・事業再生」の支援実績から、的確な現状分析(内部要因・外部環境)に基づき、金融機関に評価してもらえる、各企業に適した「事業計画・成長戦略」の立案を支援します。

事業計画の策定には、補助金(早期経営改善計画支援事業)を活用することもできます。

返せない借金の対処法

こんにちは、松本光輝です。今回は、経営者の皆さんにとって非常に重要なテーマ「返せない借金の対処法」についてお話ししたいと思います。経営に行き詰まり、資金繰りが苦しくなったとき、どのように対処すればよいのか、具体的な方法を解説します。

金銭消費貸借契約書とその意義

銀行からお金を借りる際には、通常「金銭消費貸借契約書」を取り交わします。しかし、すべての契約が約束通りに履行されるとは限りません。契約書は、あくまで約束が守られない場合を前提に作られています。

資金繰りが苦しくなったらどうする?

もし、資金繰りが苦しくなり銀行への返済が難しくなった場合、まず無理をして返済を続けるのではなく、銀行に相談して返済の猶予をお願いしましょう。これは「リ・スケジュール」または「リスケ」と呼ばれ、中小企業の10社に1社が実施しています。リスケを行うことで、毎月の元金返済をゼロにすることも可能です。

リスケの実施とその効果

リスケは通常、3年間程度の猶予期間を設けることが一般的です。この期間中に収益が改善すれば、元の返済額に戻せばよいのです。ただし、リスケ中も利息は支払う必要があります。もし、利息の支払いも難しい場合には、「代位弁済」という方法があります。

代位弁済の活用方法

代位弁済とは、保証協会が銀行に代わって返済を行う制度です。これを利用すれば、元金も利息も支払う必要がなくなり、その時に返済可能な金額だけを保証協会に返済すれば良いのです。保証協会は中小企業を支援するための国の機関であり、この制度を利用することで一気に資金繰りが楽になります。

代位弁済の注意点

ただし、代位弁済を行うと、原則としてその後の銀行からの借入れは困難になります。また、保証協会付き融資ではないプロパー融資の場合には、代位弁済はありません。代位弁済を選ぶ際には、これらの点に注意しつつ検討することが重要です。

賢明な選択をするために

代位弁済を活用することで、多くの支払いを止めることができ、経営に一時的な安定をもたらすことができます。しかし、保証協会の保証率が100%でない場合、銀行に少しの残高が残ることもありますが、大きな影響はないでしょう。経営者として、資金繰りが苦しくなった際には、無理をせずに賢明な選択をすることが重要です。

経営は常に順風満帆とは限りませんが、正しい知識と適切な対応で、困難な状況を乗り越えることができます。皆さんも、ぜひこの情報を参考にして、自社の経営に役立ててください。

「(株)事業パートナー東海」にご相談頂ければ、案件によっては「(株)事業パートナーの松本社長」と連携して事業再生・事業承継等に取り組みます。

再生型私的整理手続の要約

1 再生型私的整理手続の概要

再生型私的整理手続(以下、「本手続」という。)は、経営困難に陥っている中小企業者(以下、「債務者」という。)が、法的整理手続を経ずに債権者との合意に基づいて事業再生を図る手続である。債務者は、第三者支援専門家の支援を受けながら、金融機関等の債権者と協議し、事業再生計画を策定する。

2 手続の開始

債務者が本手続を利用する場合、まず主要債権者に対して本手続を開始する旨を申し出る。債務者は、第三者支援専門家の候補者を選定し、主要債権者全員の同意を得た上で第三者支援専門家を選任する。選任された第三者支援専門家は、中立的立場から事業再生計画の策定支援を行う。

3 事業再生計画の策定

債務者は、第三者支援専門家と協力して事業再生計画を策定し、主要債権者に対して計画案を提示する。計画案には、債務返済猶予や債務減免、経営改善策などが含まれる。主要債権者は計画案を精査し、同意するか否かを表明する。同意が得られた場合、事業再生計画は成立する。

4 モニタリングと計画の変更

事業再生計画が成立した後も、第三者支援専門家や主要債権者は定期的に計画の進捗をモニタリングする。計画と実績に乖離が生じた場合、乖離の原因を分析し、必要に応じて計画の修正や法的整理手続への移行を検討する。

5 廃業型私的整理手続との関係

再生型私的整理手続を進める中で、事業の継続が困難と判断された場合、廃業型私的整理手続への移行を検討する。第三者支援専門家は、中小企業者の意向を尊重しつつ、適切な対応策を提供する。

6 保証債務の整理

再生型私的整理手続においては、保証債務の整理も重要な課題となる。保証人は、経営者保証に関するガイドラインを活用し、主債務と保証債務の一体整理を図るよう努める。

7 計画成立後のフォローアップ

計画成立後も、定期的なフォローアップを実施し、計画の達成状況を確認する。必要に応じて、中小企業者や主要債権者は計画の見直しを行い、持続的な事業再生を目指す。

 

以上が「再生型私的整理手続」の概要であり、債務者と債権者が協力して事業再生を図るための枠組みとなっています。

 

廃業型私的整理手続の要約

廃業型私的整理手続の開始

手続開始の申し出

・中小企業者は、外部専門家と共に主要債権者に対して廃業型私的整理手続の開始を申し出ることができる。

・外部専門家は、主要債権者の意向を踏まえ、中小企業者の資産負債及び損益の状況を調査し、弁済計画策定の支援を行う。

一時停止の要請

・必要に応じて、主要債権者全員の同意を得た場合、一時停止の要請ができる。対象債権者が要請に応じた場合、中小企業者及び外部専門家は一定期間内に弁済計画案を策定し提示する。

・一時停止要請が書面によるものであり、全ての対象債権者に対して同時に行われていることが要件である。

弁済計画の策定

弁済計画案の立案

・中小企業者は、外部専門家からの支援を受けて、相当期間内に廃業に向けた資産換価等の必要な対策を立案し、弁済計画案を作成する。

・主要債権者や他の対象債権者と協議し、経営・財務及び事業の状況を分析しながら弁済計画案を進める。

弁済計画案の内容

・弁済計画案は企業の概況、財務状況、保証人の資産と負債の状況、実態貸借対照表、資産換価及び処分の方針等を含む。

・自助努力が十分に反映されたものであることが求められる。

債権者会議の開催と同意

債権者会議の開催

・中小企業者及び第三者支援専門家が協力し、対象債権者全員による債権者会議を開催する。

・会議では弁済計画案を説明し、質疑応答及び意見交換を行う。

弁済計画案の同意

・全ての対象債権者が弁済計画案に同意した時点で弁済計画は成立する。これにより中小企業者は弁済計画を実行する義務を負う。

・弁済計画案について全ての対象債権者から同意を得られない場合、第三者支援専門家は手続きを終了させる。

弁済計画成立後のモニタリング

モニタリングの実施

・外部専門家と主要債権者は、弁済計画成立後、中小企業者による計画達成状況等を定期的にモニタリングする。

・債務減免等を含まない弁済計画の場合には、主要債権者がモニタリングを行う。

要件と考慮事項

適用要件

・過大な債務を負い、既存債務を弁済できないか近い将来に弁済できない見込みがあること。

・円滑かつ計画的な廃業により、従業員の転職機会を確保し、経営者の再スタートが可能であること。

・中小企業者が経営情報等を適時適切に開示していること。

・反社会的勢力と関係がないこと。

保証債務の整理

・保証人は経営者保証に関するガイドラインを活用し、主債務と一体整理を図るよう努める。

これらの手続により、中小企業者と債権者が協力して円滑な廃業を実現し、関係者にとって最良の解決策を模索することが可能になります。

 

なお、事業再生や廃業の方法は「事業再生ガイドラインの沿った手続き」以外に多くの手法があります。

当社では、各企業の状況に応じて、最適な方法を検討・提示し、その推進を行います。

借入金はいくらが適正なのか?

借入金の適正な限度額とはどれくらいでしょうか? 一般的には年間売上額の半分くらいが一つの目安です。4分の1程度であれば特に心配はないと言えるでしょう。しかし、私の会社に相談に来られる方の中には、年間売上を超える借入金を抱えている場合もあります。

では、そういった会社は必ず倒産するのかというと、必ずしもそうではありません。適切な改善策を講じれば、立派に回復することも可能です。重要なのは、毎月の現金入金の範囲内で支出を抑えることであり、これにより資金繰りを安定させることができます。

銀行への返済額を適切に交渉し、利息を抑えることができれば資金繰りは改善します。例えば、金利を2%から1%に下げることができれば、利息額は半分になります。しかし、元金を減らすためには、借入金を返済するしかありません。その方法としては、財産を売却して返済するか、会社の利益を増やして返済するかの二つの方法があります。

理屈は分かっていても、実行に移すのは難しいものです。理想としては、借入金の額を年間売上の4分の1を超えないようにすることが望ましいでしょう。

預金はいくらが最適なのか?

次に、預金についてですが、預金は多ければ良いというものではありません。資金の運用の仕方(使い方)が下手であることを意味します。つまり、少なければ資金繰りが回らず、多すぎれば経営力がないということです。運送業などでは、製造業のように製造原価がないため、ドライバーや傭車を原価として計上する必要があります。また、固定費は販売管理費の8割程度です。

 

経営者として、これらの課題に対して適切な対策を講じることが、長期的な経営の安定と成長につながります。特に、資金繰りや借入金の管理においては、銀行との交渉や利息の管理など、細かな対応が求められます。これらの点を踏まえて、経営を進めていくことが大切です。

「(株)事業パートナー東海」にご相談頂ければ、案件によっては「(株)事業パートナーの松本社長」と連携して事業再生・事業承継等に取り組みます。

業績向上には価格設定が大事

稲盛和夫先生は「値決めは経営:値決めはトップの仕事。お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点である。」と述べています。*著書「経営12ヶ条」より

現在、経営改善を支援している企業の中で、「販売価格の見直しとお客様との交渉」で、利益の改善ができているところがあります。販売価格を上げることは、企業の業績向上に大きな効果があります。

当社が企業の経営状況を調べる際に最も重視しているのが「収益性」です。業種によって分類する項目は変わりますが、例えば、食品製造・販売では、「商品別」「顧客別」の売上と利益(粗利益)を分析します(ABC分析)。

この分析結果により、重点的に取り組む商品や顧客を選定したり、採算が悪い商品や顧客の改善(または撤退)を検討します。この時は、競合他社の動向や顧客との取引状況・信頼等を考慮して、適切な価格設定を行います。

価格交渉促進月間

政府は、原材料・資材費及び人件費の高騰により経営状況が悪化している中小企業(下請事業者)の経営が成り立つように、発注企業(親事業者)に対して、価格交渉に応じて適正価格で取引するように通達しています。

価格交渉を促進するために、3月と9月に「価格交渉促進月間」を設定しています。

価格交渉促進月間については中小企業庁のホームページをご覧下さい

政府が進めている価格交渉促進を図で示したものです。

価格交渉が進んでいるかをアンケート調査や下請けGメンによるヒアリング調査で状況を把握し、対応が悪い親事業者には指導を行う場合もあります。

2024年3月時点の状況

3月の価格交渉促進月間での調査内容が6月に公表されています。

価格交渉の実施について

価格交渉が行われたかを調べた結果です。総数「67,390社」の「59.4%」の企業が交渉が行われたと回答しています。

価格交渉の成果

価格交渉の結果が示されています。「67.2%」の企業が価格転嫁ができたと回答しています。

この結果は、前年の9月の調査よりも上昇しています。

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